
デジタル人材不足の解決策として注目を集める「リスキリング」(学び直し)。そんな中、アメリカのデジタル人材育成の大手企業が日本に上陸。日本のリスキリングにどのような風を吹き込むのか。
【映像】1人約60万円のリスキリングの内容とは
リスキリングとは、業務上で必要とされる新たなスキルや知識を習得する学び直しのこと。AIやロボットの進化で急速にデジタル化が進んだことで、業務の形も大きく変化。多くの企業でデジタル人材が不足していて、それを解消するカギとして注目されている。
去年10月、岸田総理は所信表明演説で「個人のリスキリングの支援に5年間で1兆円を投じる」と表明した。そんな中、デジタル分野のリスキリング事業を手掛け、世界各国で実績を上げているアメリカの「ジェネラル・アセンブリー社(GA社)」が日本に上陸。どのようなサービスを展開するのか、GA社の日本進出をサポートするアンカースター株式会社のディレクター・苔口穂高氏に話を聞いた。
「(GA社は)デジタルスキルに特化していて、必要とされている『デジタルマーケティング』や『UXデザイン』などのスキルをプログラム形式で提供している」
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日本は世界と比べてDX(=デジタルトランスフォーメーション)が遅れていると言われており、GA社が日本に進出した狙いもそこにあるという。
「日本はデジタルにおける成長余白が大きい。DXしていくためには、今までのスキルや心構えだけだとどうしても足りない。本気でDXに取り組んでいくためには、企業も本気で投資していくことが必要だ」

個人の自主的な学習のみに任せるのではなく、企業が戦略として取り組むことが大切だというリスキリング。GA社は当面、日本では法人に絞ってサービスを展開していくという。掛かる費用やプログラムの内容はどのようになっているのだろうか。
「3人体制の講師陣が1クラスだいたい20~25人の受講者につく。1つのプログラムが約40時間で、前後の課題や準備を合わせると60時間ほどの講座になる。定価として1500万円(1人あたり60~75万円)で提供していく予定だ。リスキリングにも様々な形式があり、GAはその中でも“パーソナルトレーナー”のようなプログラムになっている」
様々な実践的なカリキュラムで即戦力となるデジタル人材を育成。そこには企業が力を入れて投資するだけのメリットがあるという。
「いま、デジタル人材が世の中で枯渇していて、かつ、スタートアップやテック企業が優先的に取り込んでいる。一方、中途採用が進まない伝統的な企業にもたくさんの人材が眠っているはずだ。その人たちがデジタルスキルを身につけることによって再活躍できることのメリットは大きいだろう」