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「生き残ったのはGoogle、Amazonレベル」9割のIT企業が消えた…90年代ITバブルとは一体何だったのか【専門家が解説】

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様々な要因によって世界的なインフレが起こり、将来の展望が正確に描けない昨今。自身の資産を守り、未来につなげていくためには、どのような行動を取ればいいのでしょうか。複眼経済塾の取締役・塾頭、エミン・ユルマズ氏が、著書『エブリシング・バブルの崩壊』(集英社)から、世界経済の展望と、日本経済にに潜むチャンスについて解説します。

バブルには2種類ある

〝弾けないバブル〟というものは歴史上なかったが、バブルというものの本質に関して、少し歴史を振り返って考えてみよう。

バブルには大きく分けて、一つは新しい土地を開発するときに起きる「不動産バブル」、もう一つは新しいテクノロジーによって起こされる「テクノロジーバブル」の2種類がある。

不動産バブルでいうと、18世紀初頭に「ミシシッピバブル」が起きている。北アメリカに植民地をもっていたフランスが立てたミシシッピ川周辺における開発・貿易計画、いわゆるミシシッピ計画がバブルをつくった。投資対象は株式だった。

英国では1840年代に鉄道への投資熱が高まり「鉄道バブル」となったが、これは新しいテクノロジーによって引き起こされたといえる。

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1890年代に英国で起きたのは「自転車バブル」。英国では空前のサイクリングブームとなったが、同時にタイヤブームを迎え、あのダンロップ社が誕生している。

そして1880年代から1891年まで、オーストラリアでは「不動産バブル」が起きた。

米国バブルの歴史

(※写真はイメージです/PIXTA)

その後米国では、1900年から1907年まで続いた普通の株式投資バブルを経て、1920年代からは「RoaringTwenties」といって洗濯機、ラジオなどさまざまな電化製品の登場によって起きた「家電バブル」が、1929年の大恐慌発生まで続いた。

戦後になって1970年代には「コンピュータチップ」のバブルが起き、90年代にはご存じITバブルが起きて、弾けた。2002年から2007年は米国の不動産バブルが発生し、リーマン・ショックで終わった。

それで、いまは何バブルなのか? ありとあらゆる資産の価格が上がっていることから、私は「エブリシング・バブル」と命名している。

バブルによりテクノロジーが格段に発展を遂げる

しかしながら、バブルとは必ずしも悪いものではない。たとえば、新しい技術や新しい商品の登場が契機となって起きたバブルは、基本的にそのおかげでさまざまな企業にお金が集まる。その結果、技術がさらに進み、バブルが崩壊した後も残った企業が世の中に貢献していくわけである。

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