まとふ(matohu)の2023-24年秋冬コレクションがが東京・表参道ヒルズで2023年3月14日(火)に発表された。タイトルは「共振する世界」。
島根県松江市をフォーカス
2019年春夏コレクションより、映像+プレゼンテーション形式でコレクションを発表しているまとふ。「手のひらの旅」と名付けらたこのプロジェクトシリーズが今回フォーカスしたのは島根県松江市だ。
「スリップウエア」の模様を表現
まず最初に注目したいのは、明治から続く焼物屋「袖師窯(そでしがま)」で特別に作ってもらったというオリジナルの陶製ボタン。ボタンには、粘土を水で溶いた化粧土を流しがけ、引っ搔くことで描いた「スリップウエア」の模様が表現されている。これらのボタンは、コートやジャケットなどにあしらい、まとふならではの日本の伝統美を感じさせる一着に仕上げた。
「スリップウエア」の模様は、ジレやパンツに使用されたジャカードにも落とし込まれている。チェック柄を同時に表現することで、よりいっそう奥行きを感じられるデザインに仕上げているのも面白い。
筒描きを施したブラウスやコート
スタンドカラーブラウスにあしらったストライプ柄や、コートに描いた菊の葉と格子柄は筒描きによって表現。いずれも深みのある藍色の生地から浮き出ているように見える、立体感のある表情が魅力的だ。
宍道湖の夕日を落とし込んで
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ショーのラストを飾ったコートとドレスは、「手のひらの旅」の道中に宍道湖で見たという夕日から着想。濃度の異なるピンクを幾度となく重ねたようなこの服は、見る者を壮大な夕日が沈む宍道湖へと誘うのだった。