厚生労働省の調査によると、育児休業取得率は女性で8割台と高い水準で推移しているという。男性の育児参加が推奨されているが、まだまだ家事や育児の女性への負担は大きい。そのため、いったん仕事を辞め、子どもが小さいうちは子育てに専念したいと、主婦になる女性も少なくない。

そんな中、「しゅふJOB総研」を運営するビースタイル(東京都新宿区)が2023年3月8日、「女性が働く理由」をテーマに、主婦層を中心とする就労志向の女性にアンケート調査を実施し、その結果を発表した。それによると、「これからも仕事をしていきたい」人は30代以上で89.7%に上ることがわかった。
その理由をみてみると、「今後の生活に不安を感じる(収入面)」(65.2%)と「社会とかかわり視野を広げたいため」(63.2%)の割合が高く、求人を選ぶときに「金銭面」と「社会との接点」が大切な要素になっている実態が浮かび上がった。
「仕事が好き」77.8%、「仕事を続けたい」89.7% 意識の高さ明らかに
この調査は仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の本音と実情を探る「しゅふJOB総研」がネットアンケートで30歳以上の女性522人に調査したもの。

(主婦JOB総研の作成)
はじめの質問をみると、「あなたは仕事することが好きですか?」に対して「とても好き」が「24.7%」で、「どちらかといえば好き」は「53.1%」となり、仕事に対して肯定的な意見が77.8%を占めた。
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「どちらかといえば嫌い」(10.0%)、「とても嫌い」(1.3%)と否定的な意見は「11.3%」だった。仕事が嫌いな人の意見の理由をみると、
生活のために働きたいとは思うが、仕事は選びたい(40代)
出来れば、扶養範囲内で働きたい。毎日ではなく、少しゆとりを持ちつつ働きたい(50代)
家族がいるので、仕事だけのことを考える時間がない(40代)
などが集まった。

(主婦JOB総研の作成)
続いて、仕事に対するこれからのスタンスを聞いてみると、「非常に強く仕事をしていきたいと思う」(27.4%)と「できれば仕事をしていきたいと思う」(62.3%)を合わせると、89.7%とほとんどを占めることがわかった。

(主婦JOB総研の作成)
仕事をしたいと思う理由をみると、第1位は「今後の生活に不安を感じるため(収入面)」が最も高く「65.2%」となった。次いで「社会と関わり視野を広げたいため」が「63.2%」で、「旅行や買い物など自分または家族の生活を豊かにするため」は「62.2%」となり、「老後への備えのため」(54.7%)、「自己実現、自己成長のため」(41.7%)と続く。
「対価を得て自己肯定感高まる」「仕事を通じて責任果たしたい」が仕事のモチベーションに

(主婦JOB総研の作成)
つづいて、30代、40代、50代の仕事をしたいと思う理由の年代別ランキングをみてみると、まず30代では1位が「旅行や買い物など自分または家族の生活を豊かにするため」が「81.6%」でトップとなった。以下、「今後の生活に不安を感じるため(収入面)」(78.9%)、「社会と関わり」視野を広げたいため」(57.9%)の順になっている。
30代では、まだ幼い子どもの養育と教育費の準備のために、夫婦で「稼ぐ」必要があるのだろう。

(主婦JOB総研の作成)