
第2回/ピンクコンパニオン派遣業(村田・50歳・都内在住)
「昨年は、過去最高の売り上げを記録したんですよ」
人懐っこい表情でそう話すのは、都内某所でピンクコンパニオンの派遣会社を経営する村田(50)である。昼下がりのファミリーレストランで、私は彼から話を聞いていた。
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まずピンクコンパニオンについて説明すると、温泉地のホテルなどで接客するコンパニオンには、大きく分けて二つのタイプが存在する。
一つが通常のコンパニオンで、こちらは接客はするものの、服は脱がない。もう一つがピンクコンパニオンで、こちらは服を脱いで接客し、さらに客とのやりとりにより、さまざまなサービスを提供するのである。
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後者のお色気たっぷりのコンパニオンを派遣しているのが、村田が経営する会社である。
コンパニオンの派遣会社であるならば、有名な温泉地などから近い場所にあるという印象だが、村田の会社があるのは東京だ。温泉地からも遠く、あまり需要はなさそうだが、やっていけるのだろうか。
それでも会社は観光業界が大打撃を受けた新型コロナウイルスの感染拡大を乗り越え、業績は好調だという。村田は善良そうな顔をして、大ホラ吹きか、遣り手の経営者なのか、じっくりと話を聞きたいと思った。
まずは、最高益を上げる前、コロナ禍での打撃について、話を向けた。
「つらかったですよ。かなりひどい状況でした。最悪だったのは2020年4月でしたね。予約が一つだけで、堪えました」
そのコロナ禍に、彼なりの気づきがあったという。