
環境問題の第一人者であるはずの小池百合子東京都知事の化けの皮がはがれたか。明治神宮外苑再開発や都民の憩いの場として知られる葛西臨海公園の水族園整備事業で、環境保護に最重要とされる樹木の大量伐採計画に〝ゴーサイン〟を出した。この〝緑のタヌキ〟ならぬ〝伐採女帝〟ぶりが批判にさらされ、訴訟沙汰にまで発展しているのだ。
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まずは〝伐採女帝〟のありがたくない異名を負うハメになった2つの計画の概略を見ていこう。1つ目の神宮外苑再開発事業。新宿区議が解説する。
「対象区域約28ヘクタールに及ぶ神宮外苑再開発事業は大正時代に建設された神宮球場、昭和22(1947)年建設の秩父宮ラグビー場が老朽化のため、再建が計画されてきた。そして、紆余曲折を経て都は2月17日に再開発施行を認可した。事業者側は3月末にも神宮第二球場の解体工事に着手し、その後は神宮球場と秩父宮ラグビー場は場所を入れ替える。ほか、高さ190メートルと185メートルの高層ビル2棟が建設される総事業費3490億円の計画です。2036年ごろに完成予定で、事業者には三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センターが名を連ねている」
神宮外苑再開発では樹齢100年を超える樹木約740本が切り倒される。加えて、低木まで含めると3000本超になる見込みだ。そのため「世界的に見て大都市部の樹木は宝石のような世界的遺産。その伐採は大きな損失」という反対の声が上がり、約11万7000人超のオンライン反対署名が集まった。
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文化財保存に取り組むユネスコの国内諮問機関『日本イコモス国内委員会』も懸念を示し、球場とラグビー場を今の場所のまま建て替えれば、大半の樹木が残せると代替案を提案したほどだ。
黒いつながりが見え隠れ!?
だが、反対活動や代替案を省みることなく大量伐採計画は2月28日、新宿区によって認可された。同日、地域住民らは都に神宮外苑再開発の認可取り消しを求め、東京地裁に提訴する事態に発展している。
2つ目の樹木伐採騒動は江戸川区の葛西臨海公園。
「公園内にある水族園の老朽化で建て替えが浮上し、カフェなどを併設したオシャレな水族園を2028年に開園する予定です。問題は周辺整備に伴い敷地内の樹木を1400本伐採し、新築建物や太陽光パネルを設置する計画があること。この地区は鳥たちの楽園でバードウオッチングのメッカ。樹木を伐採しての太陽光パネル設置は『環境保護に逆行する』と、こちらも批判にさらされていますよ」(都議会議員)
小池都知事と太陽光発電関連でいえば、昨年末、都内の新築住宅の太陽光パネル設置義務化条例を都議会で可決した。その前後から「小池都知事は太陽光パネル関連で利権でもあるのか」などの風評も立った。
「2021年、太陽光絡みで金融機関から約11億円を騙し取った詐欺容疑で東京地検特捜部に逮捕された『テクノシステム』の生田尚之社長は、かつて小池氏側に献金する一方で、小池氏の金庫番とされるM氏とツーカーの仲だった。今年1月には、国際政治学者の三浦瑠麗氏の夫・三浦清志氏の投資会社に特捜がガサ入れを行い、7日に業務上横領の疑いで逮捕。こちらも太陽光発電事業関連です。その清志氏とつながる人物が生田社長とも親しい関係。そんな折、また葛西臨海公園で太陽光だから、小池氏はなぜ太陽光事業に前のめりになるのか疑いの目を向けられるのです」(夕刊紙記者)