本作は、魔界に迷い込んだ人間の女の子「メグ」とそれを守る魔物「ロイ」のアドベンチャーRPG。素朴なドット絵と美しいサウンドが特徴です。ロイはとても強く、ほぼ無敵ですが、彼はメグをかばいながら戦う必要があります。開発は日本のチームなので、日本語にも対応しています。
『メグとばけもの』は、1,650円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
RyotaRyotaです。本作ではシナリオを考えたり、ディレクターという立場で関わっています。好きなゲームはたくさんありますが、一番好きなゲームを選べと言われたら『MOTHER2 ギーグの逆襲』ですね。ベタベタですいません。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Ryotaもともと「屈強なモンスターと人間の子ども」を軸にしたゲームの企画を作りたいと思っていて、その企画のタネをOdencatのチームに共有していました。私が本作の前に制作していた『ねずみバスターズ!』というゲームの制作が完了したタイミングで、次のプロジェクトをどうするか考えていた時に、本作のプロデューサーであるDaigoが、次の企画としてそれを提案してくれたのが始まりです。
――本作の特徴を教えてください。
Ryota本作は物語がメインとなっています。バトルやパズルのようなゲーム性はありますが、レベル上げややり込みの要素は無く、全てが物語のための舞台装置と言えるかもしれません。また、本作は「屈強な魔物とか弱い人間の子ども」の組み合わせや関係性が軸となっていますが、物語だけでなくゲームを構成する多くの要素に影響を与えています。
例えばバトルはシンプルなターン制ですが、魔物が子どもを守るという要素をシステムに組み込む事でオリジナリティを出しています。音楽は作曲家の裏谷玲央氏が、ピアノやストリングスの美しい音色とがらくたを鳴らしたパーカッションを組み合わせて本作にぴったりなBGMを作ってくれました。
――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Ryota以前であれば「アドベンチャー系のゲームが好き」「ストーリー主導のゲームが好き」という人達に特に楽しんでもらえるだろうな、と回答していたと思いますが、今はプレイできる環境がある全ての人にプレイして欲しいですね。というのも、発売以来、SNSなどで感想を見ているのですが、プレイした方が「誰にでもオススメできる」と、無条件で人に勧めてくれているのを今回かなり見かけます。
中にはわざわざ知り合いにプレゼントして布教してくれている方もいたりして、驚いています。大変ありがたい事ですし、開発者としても「どんな人でも遊んでみてほしい」と言っても大丈夫なのかな、と少し自信がついてしまいました。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Ryota映画の「レオン」は意識した部分があります。かなり昔に観た映画なので内容は殆ど覚えていないのですが、最初に「強い魔物と人間の少女」という組み合わせを考えた背景には、この映画の影響はかなりあったと思います。
あとはこの辺はだいたい予想がつくかもしれませんが、『MOTHER』シリーズや『Undertale』等の影響も様々な部分で受けていると思います。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
RyotaOdencatはそもそも全員がリモートワークでメンバーが各地に散らばっており、開発への影響はほとんどありませんでした。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Ryotaはい、大丈夫です。配信ガイドラインに従っていただければと思います。
――最後に読者にメッセージをお願いします。
RyotaOdencatは今までスマホ向けのゲームを作ってきました。スマホで出したタイトルからコンシューマへの移植はありましたが、はじめからコンシューマに向けてゲームを作ったのは今回が初めてであり、大きな挑戦でもありました。求められる規模やハードルが高くなる事が予想される中、我々の強みを損なわずにどうゲームを作って行くのが良いのかを模索し、一つの答えを出せたと思っています。
ゲームとしてもコンパクトでプレイ時間もそこまで長くはないので、気軽に手に取って頂けると嬉しいです。
――ありがとうございました。
◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。