コロナ禍で、改めてその大切さが見直されている免疫力。専用のドリンクやサプリが売れたり、睡眠や食事を見直すことが推奨されたりと、免疫力アップのさまざまな方法が注目されている。そんな中でも、特別な道具や食品を買う必要がなく、誰でも簡単に、いますぐ始められると話題なのが、現役医師の今井一彰氏が開発した「あいうべ体操」という舌(べろ)トレ。その効果と方法をご紹介しよう。
その不調、舌の衰えが原因かも?

舌トレとは、舌を鍛えるトレーニングをすることで、自律神経を整え、免疫力をアップし、体のさまざまな不調を防ごうというもの。舌を鍛えることが、なぜ健康に繋がるのか? 今井医師は著書『免疫力を上げ自律神経を整える舌トレ』の中で、舌の役割が関係していると説明している。
舌は、健康な体を支えている源。「呼吸する」「食べる」「話す」という、人間が生きるために不可欠な3つの活動を支えています。(『免疫力を上げ自律神経を整える舌トレ』より。以下同)つまり、舌が衰えると、生きるのに必要なこれらの活動が正しく機能しなくなり、健康に悪影響を与え、さらには老化の原因にもなるという。特に舌の筋力が低下すると、舌が正しい位置よりも下がった「落ちベロ」という状態になり、本来は鼻呼吸であるべきところが、口呼吸となるため、それが病気を招く原因にもなるのだそう。
口呼吸をすると、冷たく乾いた空気が、口を通ることでダイレクトに気管を痛めつけます。気管支にもバリア機能を持つ線毛はありますが、乾燥すると動きが鈍くなり、線毛自体がなくなってしまうのです。湿度があれば、線毛は再生しますが、口呼吸で乾燥し続ければ、再生しないまま。すると、細菌が体内へと素通りするうえ、冷えと乾燥で免疫機能も落ちるので、病原菌は広がる一方です。とくに口呼吸をすると、体が冷えるために全身の免疫機能も低下するのだとか。寒くなると風邪をひきやすい、あるいは毎年のようにインフルエンザに感染しているというような人は、知らないうちに口呼吸になっている可能性があるかもしれない。
もしかして「落ちベロ」? 三択で簡単チェック

現代人は昔の人に比べて、柔らかい食べ物を食べることが多いため、舌を鍛える機会が減っているそう。年齢が若くても、舌の筋力が衰えて口呼吸になっている可能性があるので、まずは以下の「ベロポジチェック」で「落ちベロ」になっていないかどうか、調べてみよう。
~口を閉じた状態で、あなたの舌はどこにありますか?~広告の後にも続きます
A:舌が上あごにべったりとついている
B:舌先が上の歯の裏についている
C:舌先が下の歯の裏についている、あるいは舌がどこにも触れておらず、宙ぶらりん
さて、あなたの舌はどこにあるだろうか? 今井医師によると、正しい舌の位置はAで、BとCだという人はいずれも「落ちベロ」になっているとのこと。その場合、口呼吸である可能性がかなり高いと言える。
簡単舌トレなら習慣化もラクラク

もしも「落ちベロ」であったとしても心配はいらない。舌はほぼ筋肉でできているので、鍛えれば正しい位置に戻すことができる。そこで、脱「落ちベロ」に有効な方法として今井医師が開発したのが「あいうべ体操」という舌のトレーニングだ。方法は、道具も何もいらず、いたって簡単。
1:「あー」と言いながら、口を大きく開く(1秒)

2:「いー」と言いながら、口を横に大きく開く(1秒)

3:「うー」と言いながら、唇をとがらせて強く前につきだす(1秒)
