
image credit:clancysautobody/TikTok
毎日大量の映像が世界中から投稿されているSNS。どんな動画がヒットするのか?みんなの注目を集めるのかは予測不能な部分もある。
アメリカ・フロリダ州にある自動車整備工場は、軽い気持ちで雑コラてきな映像をTikTokに投稿した。するとその動画は予想をはるかに超えて大反響となった。
それは、店の屋根の上で巨大な猫が踊る動画なのだが、軽快な音楽とともにズンズンズンと勢いよく大きな猫が屋根の上に登場するシーンは、多くのユーザーの目と心を惹きつけ、工場のいい宣伝になったようだ。
屋根の上で猫が踊る動画がSNSで大反響
現在、フロリダ州フォートローダーデールにある自動車整備工場「Clancy’s Auto Body Shop(クランシーズ・オート・ボディショップ)」は、TikTokのおかげで注目を集めている。2月20日に初投稿した動画が、大反響を呼んだのだ。
フォートローダーデールにて20年近く営業しているこの店では、これまでSNSを介しての宣伝は一切していなかった。
だが、店の売り上げになんとか貢献したいと思っている献身的な従業員で、ソーシャルメディアマネジャーのジョエルさん(29歳)は、若い人たちが「履歴書に嘘を書いた」という TikTok のトレンドに触発され、それを猫のミームと組み合わせ、このようなキャプションをつけて投稿した。
履歴書に嘘をつき、この自動車整備工場のソーシャルメディア担当の仕事を手に入れました。僕が解雇されないように、これを爆破してください。
すると、爆発的な注目を集める結果になった。
これほどの反響を呼ぶとは思っていなかったということだが、この動画は多くの閲覧数を得るとともに、かなりいい宣伝になったようだ。
ミームになっているのは6歳の猫マックスウェル・ザ・キャット
自動車整備工場の屋根の上に現れる巨大な猫のミームは、マックスウェル・ザ・キャットと呼ばれた6歳の猫だ。もともと、この猫は2017 年 にImgurユーザーで飼い主のVoidhawk42が、「曲げないでください」と書かれた紙の上に座っている白黒の猫の画像を投稿したことから、2020年になってSNS上で再投稿され、拡散した。

image credit:Voidhawk42
ミーム上ではマックスウェルと呼ばれているが、本名はジェスというメス猫だそうだ。
Voidhawk42によると、ジェスは癌であることが発覚した後、2020年に亡くなったという。
ジェスが虹の橋のたもとに行ってしまっても、ジェスのマックスウェル・ザ・キャットとしてのミームはたびたびSNSで流布され、今回も大注目を集めた。
この 2 週間、Clancy’s Auto Body Shopでは、TikTokアカウントの勢いを維持するために、せっせと投稿を続けていて、その多くはそれぞれ 100 万回以上の閲覧数を獲得している。
動画の大反響に経営者も喜び
5か月前に初めてTikTokへの参入を考えたというClancy’s Auto Body Shop経営者フーマン・ラフィーさんも、TikTokへの動画出演はまんざらではない様子だ。ある動画は、「この宣伝が大反響を呼んだことで、電話が鳴りやまず、対応に苦戦している」というようなラフィーさんの姿がTikTokに投稿されているが、猫のミームのおかげで商売繁盛となり、内心では大喜びのようだ。
ラフィーさんは、このように話している。
フォートローダーデール周辺の、より多くの人々がウチの店に来てくれることを望んでいるよ。実際に、TikTokのコメントには、「車を修理してもらうために12時間かけて運転中」「緊急用に、ここの連絡先を登録しておくよ」といった声の他、「ワニに車がぶつかったので、修理してもらいたい」といったフロリダ州ならではの声が寄せられている。
だけど、一時期じゃなく、できれば長期で利用してもらいたいね。
とはいっても、ウチは自動車整備工場だから、ウチが必要になるってことは、たいていの場合は事故にあったりして車を修理する状況にならなければいけないわけだし、それはそれで困るしね。
だけど、TikTok を見て、早速ウチに来たと言ってくれたお客さんも 1 人いたよ。
現在、TikTokではClancy’s Auto Body Shopの成功を再現しようと、他の企業間に#clancyscult というハッシュタグが広まっているようだ。
ラフィーさんは、Clancy’s Auto Body Shopを広く宣伝するきっかけを作ってくれた従業員のジョエルさんには、昇給を考えていると話している。
References:A 6-year-old cat meme helped a Florida auto body shop go viral on TikTok/ written by Scarlet / edited by parumo