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暇つぶしの娯楽と化した「炎上」の今を考える

おたくま経済新聞

 インターネットにふれていると、否応無しに目に入ってくる「炎上」というワード。

 誰かが回転寿司屋で悪質な行為をした、○○のアルバイトが不衛生なことをしている、などなどパターンはさまざまですが、実は炎上、特に「大炎上」に至るまでの課程はこの15年でさまざまな変化が起きています。

【元の記事はこちら】

■ 「祭り」から「炎上」へ

 筆者は「炎上ネタ」を得意とはしませんが、ネットニュース業界に身を置いて15年ほど。「喧嘩と花火は江戸の華」という言葉になぞらえ、「喧嘩と炎上はネットの華」と呼ばれるほど目立つ存在でもあることから、必然的に長年この状況を見続けることになってしまいました。

 今から15年ほど前、2008年あたりの炎上は誰かの「発言」をきっかけにしたものがほとんどでした。炎上するのは、ネットの有名人や、芸能人、企業といった範囲。

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 発端もSNSではなくブログや、週刊誌の記事、テレビでの発言が主だったように記憶しています。それに「炎上」という言葉はあるにはあったけど、どちらかといえば「祭り」とまだこの頃は呼ばれており、「謝罪させれば終わり」といった空気もありました。逆に謝罪しない場合は、ネット民にしつこく追い回されたわけですが……。

 しかしSNS人口が急増しはじめた2011年頃から状況は一変します。炎上の主役として目立ちはじめたのが「一般人」。この頃よくみかけたのは、芸能人がプライベートで訪れた店の店員(アルバイト含む)が、SNSにそのことを投稿して問題視された、といったパターン。「炎上」という言葉が定着しはじめた時期でもあります。

■ 炎上の主役が企業や有名人から「一般人」へ

 2011年頃といえば「まとめサイト」が隆盛の時代。炎上ネタが見つかるや、たちまち多くのまとめサイト(※1)で紹介され、さらにはアンテナサイト(※2)にも転載されて一気にネット中に話題が拡散。

 この辺から徐々に、炎上する対象は有名人だろうが一般人だろうが関係なくなりました。しかし環境はまだスマホが普及しきっていない時代。ネットユーザー、SNSユーザー自体が今よりずっと少なかった頃でもあり、拡散規模はまだ現在ほどではありませんでした。

 ところが「一般人の炎上ネタ」をネットニュースもすぐ扱うようになったのです。記事はYahoo!をはじめとする大手ニュースポータルのトップを飾り、テレビのニュース番組で放送されるまでが恒例に。2012年~2013年頃には現在と近い情報拡散規模になったと記憶しています。

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