
今月は、直木賞作家の小川哲さんによるクイズを題材にした小説『君のクイズ』をセレクト。本作がノミネートしている「本屋大賞」は4月に大賞が発表される予定ですので、未読の方は要チェックです!
『君のクイズ』を一言でおすすめ

一切無駄がない、一気読み間違いなしのクイズ小説
この本を推す理由

先日、小川哲さんの『地図と拳』と千早茜さんの『しろがねの葉』の二作が第168回直木賞を受賞した。
書店を訪れてもこの二作品は大々的に宣伝されていて、やはり直木賞という権威ある賞が持つ効力は大きいのだと実感する。
そんなことを考えながら別の棚に目を移すと、また別の賞のノミネート作が並べられていた。
「2023年本屋大賞」ノミネート作の10作品だ。
本屋大賞は、出版社や作家ではなく書店員が投票によって決める賞であり、こちらも毎年大きな話題になっている。
広告の後にも続きます
個人的な感覚だが、直木賞は歴史も長く権威ある賞であるがゆえに「この賞に相応しい作品」というものが選ばれているような気がする。
当然その考えは必要だと思うし、内容の面白さには関係ないのだけど、やはり読者としては「これが直木賞か……」と少し身構えてしまうのも事実である。
それに対して、本屋大賞は「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本」というキャッチコピーにある通り、書店員の「この本面白いので読んでください!」というようなフランクさを感じて、こちらも友達に勧められたような感覚で向き合いやすい。
さらに、以前から書店で平積みになっていたり、熱量のあるPOPが書かれていた本がノミネートされていると「確かにずっとこの本を推していたな」と思えて、親近感も湧く。
要は、権威ある賞と等しく私は本屋大賞を信頼している。
本を読む理由のほとんどは「面白い本を読みたい」なので、書店員が面白いと思うものはきっと自分も面白く感じるだろうと思いノミネート作を見ると、やはりそれまで書店でもよく目にしていた作品が並んでいる。
2023年3月1日