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施設暮らしが長かった犬、ようやく家族が見つかるも1か月後に行方不明。自力で施設にたどり着いた

カラパイア


image credit:Animal Rescue League of El Paso/Facebook

 長い間、動物保護施設で暮らしていた動物たちがようやくずっとの家を見つけた時には、施設スタッフは「二度と施設に出戻ることなく、新しい飼い主のもとで幸せになってね」と送り出す。

 アメリカ・テキサス州にある施設で、何年も養子縁組が決まらず、長い間施設暮らしを続けてきた犬についに飼い主が見つかった。

 ところが新たな家族に引き取られて1か月後の夜、施設のドアベルに犬の姿が!「早く中に入れてよ」と言わんばかりの犬に驚いたスタッフたち。

 実はこの犬、新たなハーネスを試していた時に逃げ出してしまい、行方不明になってしまったのだ。犬は長年住み慣れた施設の場所を覚えていて、自力で16kmもの距離を歩いて施設に戻ってきたようだ。

入居最年長だった保護犬ベイリーについに家族が

 テキサス州エルパソにある動物保護施設『Animal Rescue League』で暮らしてきたベイリー(メス)は、なかなか飼い主が見つからず、長い間施設暮らしをしてきた。

 ベイリーは、愛情深くやさしい性格で、長くいればいるほど施設スタッフやボランティアたちの心をつかみ、みんなから愛された。

 だが、彼らがなにより望むのは、ベイリーに永遠の家を提供してくれる飼い主だ。


 ずっと施設で暮らしていくことになるかもしれないベイリーのことをいつも心配していたスタッフたちだったが、ついに先月、ベイリーを引き取りたいという人が現れた。

 無事に養子縁組の手続きをして、ベイリーは施設から去って行った。別れは寂しいが、それよりもベイリーに永遠の家族が見つかったことに誰もが喜んだ。

 ところが、新たな家族と暮らし始めて1か月後、ベイリーは行方不明となる。

公園でハーネスを装着している最中に脱走

 施設創設者ロレッタ・ハイドさんは、このように話している。
飼い主となった男性が、公園でベイリーに新しいハーネスを試していた最中に逃げ出してしまったそうです。

飼い主はベイリーを追いかけましたが、途中で見失ってしまいました。あちこち探しまわったそうですが見つからず、彼は、すぐに私たちにベイリーが行方不明になったことを連絡してきました。

私たちは、ベイリーがどこかにいるかもしれないと周辺を見回り、注意を払っていました。すると数日後、ベイリーの目撃情報が少しずつ入り始めたんです。
 飼い主宅から16kmも離れた施設に近い場所で、ベイリーの姿を見かけたという目撃情報が入ってきた。

新たな家から16kmも離れた施設に戻ってきた

 ハイドさんは、「あの子、長年住み慣れたこの場所に戻ってこようとしているつもりだわ」と直感したそうだ。



 ハイドさんの直感通り、ベイリーは飼い主宅から行方不明になって数日後の1月31日、深夜午前1時半頃、施設の門前に現れた。

 何かの気配を察知したドアベルの警告通知を受け取ったスタッフが、アプリでカメラを見てみると、そこには見知った顔が映り込んでいた。

 ちょこんと顔をだしたベイリーがカメラに映りこんでいるではないか!



 困惑したスタッフが、カメラを通して「ベイリーなの?」と声をかけると、ベイリーはカメラを見て「そう、わたし。わたしよ!中に入れてちょーだい」と言うような反応をしたという。

 スタッフが、慌てて車で施設に向かうと、やはり門の前にベイリーがいた。

 16kmもの距離を歩いて自力で施設に戻ってきたベイリーに、スタッフ一同驚かされた。



 ハイドさんはこのように話している。
長い間、施設で暮らしてきたベイリーは、帰巣本能で施設の場所を覚えていたのかもしれません。

飼い主の家がわからなくなり、迷い続けた結果、最終的に、自分がどこへ行くのが一番正解なのかを理解したかのようです。犬は、私たちが思っている以上に聡明です。

飼い主と再会し、無事帰宅

 当然のことながら、ベイリーは施設のスタッフたちに両手を広げて歓迎された。

 数日間、何も食べていなかったのか、ベイリーは空腹でとても疲れていた様子だった。

 スタッフは、ベイリーに食べ物と水を与え、休むための居心地の良いベッドを提供した。
ベイリーは大きなボウルに入った餌をたくさん食べて、午前中ずっと寝ていました。(ハイドさん)
 翌朝、施設側がベイリーの飼い主に連絡すると、飼い主はすぐに迎えに来た。
ベイリーは、自分の新しいお父さんをとても愛しています。これは間違いありません。飼い主は、ベイリーを見失ってからずっと探していました。

でも、迷子になったベイリーは、きっと長くいた施設を自分の家のように感じていて、こっちに戻ってきてしまったのでしょう。


 飼い主と再会したベイリーは、一緒に自分の家に戻って行った。

 養子縁組して1か月後に、このような形でベイリーと再会することになろうとは思ってもいなかった施設スタッフだが、ベイリーの元気そうな姿を見て、安心したようだ。
ベイリーは、私たちスタッフの心の中で、今でも大きな位置を占めています。

飼い主と一緒に、ベイリーにはいつでもここに遊びに来てほしい。ベイリーのお父さんは、私たちのことをとても高く評価してくれているし、私たちもベイリーに永遠の家を与えてくれた彼に、感謝しています。

多分、またベイリーは施設に遊びにきてくれることでしょう。今度は、行方不明の途中じゃなく、飼い主と一緒にね。(ハイドさん)
References:Animal Shelter’s Doorbell Rings At 1:30 AM — And Staff See A Familiar Face/ written by Scarlet / edited by parumo
 
   

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