
東京女子プロレスの最強タッグを決する「第3回“ふたりはプリンセス”Max Heartトーナメント」決勝戦(2月11日、東京・後楽園ホール)が目前に迫ってきた。そこで「121000000(ワン・トゥー・ミリオン)」(山下実優&伊藤麻希)と優勝を争う、享楽共鳴の“異能派戦士”ハイパーミサヲ(パートナーは中島翔子)に現在の胸中を聞いた。
享楽共鳴は1月19日、東京・新宿FACEでの2回戦で猫はるな&鳥喰かやを破って準決勝に進出した。「この2人は正式なタッグとして活動していないチームで、キャリアもかなり下。余裕かなって思ってたんですけど、逆に突拍子もないことをされて。私のマイクパフォーマンスの前、入場のタイミングで奇襲をかけてきた。それで、私のマントで顔をおおわれて結ばれたりで翻弄されて、最初からビックリした。実力もつけてきて、2人の初めて見る連係もあって、予想よりは苦戦したなと思いました。でも、後輩たちの成長が感じられて、苦戦したけどちょっとうれしかった」と振り返った。
1月20日、埼玉・春日部ふれあいキューブでの準決勝では、前年覇者で元プリンセスタッグ王者組の白昼夢(辰巳リカ&渡辺未詩)を接戦の末、下して決勝にコマを進めた。「白昼夢には去年のトーナメントで負けているし、何回か戦ってるけど1回も勝ったことなくて。実力がそんなに変わるわけないと思ってるんですけど、決めきれず今まで負けてきたので、今回は勝ちたいと思ってました。逆を言うと、白昼夢は去年優勝したチームなんで、そこを押さえたらかなり優勝への道が近くなると思っていたので、決勝戦くらいの気合で向かいました。試合中、中島さんがアクシデントで足を痛めたりしましたけど、粘り勝ちという感じで。どっちが勝ってもおかしくないというか、意地の張り合いになって。今まで勝てなかった白昼夢に勝ったことで、優勝に対して、現実感が出てきたなと思いました」。

決勝の相手は「121000000」となるが、その2人は享楽共鳴を“変化球”として警戒している。「そもそもミリオンとはあまり戦ったことがない。2年前のトーナメントで当たったけど(享楽共鳴の負け)、組み始めて間もない頃の2人としか戦ったことがないんです。4人タッグでは。お互いに未知な部分がたくさんあると思う。やっぱりミリオンはそれぞれが主役。主役同士で組んでるチームで、前だけしか見えてないと思う。ミリオンが私たちを変化球ということで、警戒してるとしても崩しやすい」と話す。
山下はミサヲを苦手な選手として公言し、策にはまりやすいタイプともいわれているが「思い込みが激しいから。2人ともそうだと思うんですけど、こうだというプランがあるとしたら、それがあればあるほど好都合。警戒してもらえればもらえるほど、こうやってくるだろうという思い込みが強いほど、その動きをすれば崩しやすいんじゃないかと思ってて。山下さんはだまされやすいし。山下さん側の意識がそがれたら、そもそもあの2人は主役同士で組んでて、絶妙なバランスで主役同士が同じ物語にいる感じなんで。片方を崩して一人でもバランスが取れなくなったらうまくいかないんじゃないかと思います」と分析。
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2月4日、大阪・アゼリア大正では、6人タッグで前哨戦を戦い、ミサヲは「121000000」の2人をまとめて養生テープで巻きつけて動けなくする作戦も見せた。「時間切れドローだったんですけど。あちらがどうかは分からないけど、少なくとも私はまだ全然出してない。最初仕掛けて、養生テープでグルブルにして動けなくしましたけど、それは1個の仕掛けであって。それ以降については普通に戦って、私は100%出してない。決勝は未知の部分を残したまま向かう感じです」とニヤリ。
ただ、警戒心も忘れてはいない。「すごい警戒してるのは伊藤ちゃん。山下さんにももちろん警戒はしてます。ここまで戦ってきた戦歴、実感として、山下さんへの対策はあるけど、伊藤ちゃんとはあまりちゃんと戦ったことがない気がするので、そこは警戒しておかないといけない」と冷静だ。

「121000000」を倒して優勝したら、享楽共鳴として初の勲章になる。「中島さんは個人でベルト獲ったり、実績がある。享楽共鳴での存在感は東京女子のタッグチームのなかであると思うし、どういうチームだと皆さんに浸透してると思う。でも、結果を残せてないのが引っかかってて。それが引っかかってたから、去年、中島さんがプリンセス・オブ・プリンセス王座を持ってたときに、挑戦させてもらったりとか。トーナメントで結果を残せたら、享楽共鳴の価値がもっと上がるし、2022年にできなかったことを今年こそやりたい。享楽共鳴はそもそもプロレスを享楽的に楽しもうというチーム。その楽しもうという気持ちをお互いに持っててタッグになったので、その2人にふさわしい、楽しい試合をするためにも優勝しないといけない」と優勝をキッパリ口にした。
むろん、優勝の先に見据えているのは享楽共鳴でなし得ていないプリンセスタッグ王座獲りだ。「もちろん優勝したら挑戦したいかな。視野に入れてます。日米対決になると思いますけど、やったことないので面白い」と力を込めた。
なお、プリンセスタッグ王座は現在、ウェイストランド・ウォー・パーティー(マックス・ジ・インペイラー&ハイディ・ハウイツァ)の怪物コンビが保持しているが、2月25日(現地時間)に米ノースカロライナ州で、レイチェル・ローズ&ハイアンを相手に初防衛戦を行う予定。怪物コンビは3月18日、東京・有明コロシアムでのビッグマッチに参戦することが決まっているが、王者として来日するかどうかは防衛戦が終わらないと分からない状況だ。