「2027年国際園芸博覧会 開催1500日前記者発表会」が8日、都内で行われた。「2027年国際園芸博覧会」は、昨年11月28日に行われた第171回BIE(博覧会国際事務局)総会において国際条約に基づく国際博覧会として認定され、メインテーマは “幸せを創る明日の風景” となる。

公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会の十倉雅和会長は「2月8日で『2027年国際園芸博覧会』開催まで1500日となります。先月発表した基本計画に基づき、準備を加速して参ります」と挨拶し、「グリーンシティの考え方を提示し、自然と共生した持続可能な社会の創造に向けたメッセージを発信していく博覧会にしたい」と決意を語った。
続いて、元プロ野球選手の石井浩郎国土交通副大臣は「現役の最後は横浜ベイスターズでお世話になり、本園芸博の開催地である横浜で引退試合をさせていただきました。ちなみに日本で唯一、横浜と同じA1クラスの国際園芸博が開催されたのは1990年の大阪『花と緑の博覧会』で、この1990年は私が大阪を本拠地とする近鉄バッファローズに入団した年」と自身と園芸博にまつわるエピソードを披露。
「自然環境が持つさまざまな力を我々の日常生活にどんどん取り入れ、暮らしの質をさらに高めていく。そうした豊かな未来の姿を神奈川県、横浜市と共に世界へ発信していきましょう」と呼びかけた。

また、正式略称は「GREEN×EXPO 2027」に決定し、推進体制「GREEN×EXPO ラボ」メンバーとしてチェアパーソンに造園家の涌井史郎氏、マスターアーキテクトに建築家の隈研吾氏、クリエーターに写真家・映画監督の蜷川実花氏らが就任したことが発表された。
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涌井氏は「半径6400キロメートルの地球の中で、生命活動が可能な空間はわずか3キロメートル。このバイオスフィア生命圏を維持できるかどうかに持続的な未来が掛かっている。バイオマス(生物資源の量)の80パーセント以上が植物で、植物なくして我々の生存は保証できない」と切り出し「2027年、世界から “日本はなんて自然と共生する知恵を持っているんだ” と言われるようなひとつのショーケースとして、日本が堂々と未来へ向かって進んでいける博覧会を作り上げたい」と抱負を述べた。
横浜市出身の隈氏は「横浜は先端をいく大都市でありながらも緑豊かで川が流れ、(会場の)上瀬谷は横浜を象徴するような美しい場所。そこにこれから “人類が緑によってもう一度世界をよみがえらせる” 、そういう夢を語れる場所ができたらと思っています」、蜷川氏は「37年ぶりに日本で開催される園芸博に、クリエーターという立場で呼んでいただけてとても光栄に思っています。植物の美しさや大切さ、かけがえのなさと人と共に生きる美しい世界をこの園芸博で表現していけたら」とそれぞれ思いを語った。

最後に公募された公式ロゴマークの最優秀賞作品が発表され、1204点の作品の中から喜多祐子さんが選ばれた。ロゴマークのデザインについて喜多さんは「私たちが緑から受け取るもの、安らぎや爽やかな大気を表しています。目に見えない空間や気持ちを表すために、宙に舞う花びらや木の葉を連想させるやわらかな曲線を描いたモチーフを使用しました」と解説した。

「GREEN×EXPO ラボ」クリエーターに就任した写真家・映画監督の蜷川実花氏
公式ロゴマークの最優秀賞に選ばれた喜多祐子さん