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池袋・新文芸坐で2月19日から崔洋一監督の追悼特集 『月はどっちに出ている』『十階のモスキート』など10作品

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 2022年11月に亡くなった崔洋一監督を追悼する特集が、2月19日(日)から東京・池袋の新文芸坐で上映される。『月はどっちに出ている』、『十階のモスキート』、『マークスの山』など崔監督を代表する10作品が上映される予定だ。

 会期は2月19日(日)~24日(金)、27日(月)~3月2日(木)の計10日間。『マークスの山』や『平成無責任一家 東京デラックス』はDVD化されていないので、鑑賞する、またとない機会となる。
 上映される10作品は次の通り。

〇『十階のモスキート』(1983/108分)——離婚した交番巡査がサラ金に追い詰められ、ついに強盗を企てる。閉塞した現実を強烈に挑発する1本。実際の事件から着想した内田裕也が「他の監督とは違うパワーを感じた」と抜擢、崔の監督デビュー作となった。キネマ旬報9位。(2月19日―10:00、2月27日―11:50、16:15、20:40)

〇『友よ、静かに瞑れ』(1985/103分)——逮捕された友のために沖縄にやってきた男が警察と結託した巨悪に単身挑む。原作の温泉街を沖縄に改変、辺野古ロケも奏功した。迷宮のような街並み、無国籍な空気感が、崔の乾いた演出と相まった和製ハードボイルドの傑作。(2月19日―12:20、2月27日―9:40、14:05、18:30)

〇『黒いドレスの女』(1987/100分)——裏で「逃がし屋」をしているバーテンの田村はある男の外国逃亡を依頼される一方、拳銃を持った若い女が現れる・・・。80年代中盤から後半、角川映画に連続登板した崔が原田知世を脱アイドルの地平に導いたスタイリッシュな1本。(2月20日―9:50、14:10、18:30、3月1日―12:15、16:50)

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〇『Aサインデイズ』(1989/111分)——中川安奈が演じるエリは沖縄ロックの女王・喜屋武マリーがモデル。ベトナム戦争時、米国と日本のはざまで混沌(こんとん)の青春を駆け抜ける。延々と歌う“スージーQ”、キャベツの投げ合いなど、愛憎のせめぎ合いを熱量たっぷりに描く。超必見!(2月20日―12:00、16:20、20:40、3月1日―9:55、14:30)

〇『いつか誰かが殺される』(1984/97分)——突然姿を消した父親を捜す高校生の敦子の周囲で次々に不可解な事件が起こる。原作を大胆に改変、活劇スタイルの展開に崔らしさが見えるが、初のアイドル映画に「未知の世界を監督することに楽しみと苦しみがあった」と述べる。(2月21日―9:40、14:05、18:30、2月24日―12:45、17:25)

〇『豚の報い』(1999/118分)——豚がもたらす厄でマブイ(魂)を落とした女たちと、正吉は故郷の“神の島”を訪れる。崔は自然と人間の生命力を描いた原作に「日常的な風景を描きながら、同時に非日常的な人間のたくましさがある」と感動、映画化を熱望したという。(2月21日―11:40、16:05、20:30、2月24日―10:10、14:50)

〇『クイール』(2004/100分)——盲導犬クイールと、寄り添った人間たちとの出会いと別れを淡々とした筆致でつづる。ハードな作風のイメージが強い崔のフィルモグラフィの中では異色だが、ハンデを負った者、取り残された小さな存在へのまなざしが通底している。(2月22日―9:45、14:40、3月2日―12:55、18:00)

〇『マークスの山』(1995/138分)——暴力団員が殺害された数日後、同じ手口で刑事部長が殺される。無関係に見える2つの事件を捜査するうち、浮かび上がってきた秘密とは。生々しい性描写、暴力シーンを交え、骨太なドラマを構築した崔の演出が見事。キネマ旬報9位。(2月22日―11:55、16:50、3月2日―10:00、15:05、20:05)

〇『月はどっちに出ている』(1993/109分)——在日のタクシー運転手とフィリピーナの恋を軸に多国籍の人々を活写した崔の代表作。原作を読んでから12年、念願の映画化に崔は「痛快さは忘れないでいよう」と意識したという。キネマ旬報1位、監督賞など各映画賞を総ナメした。(2月23日―9:45、2月28日―11:55、16:20、20:45)

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