渡邊雄太は、今ではブルックリンのお気に入りの選手の1人である。シーズン保証を手にしたYuta The Shooterは、ジャック・ボーンHCの信頼を勝ち取り、ローテーションのカギを握る控えとして、ネッツに居場所を見つけた。
Gリーグで56試合をプレーしたジョージ・ワシントン大学出身のスモールフォワード。昨年11月末には3ポイント成功率57.1パーセントで同スタッツのランキングリーダーに君臨。現在は規定試投数に達していないため、ランキング外となっているものの、本稿執筆時点における成功率47.5パーセントは、現在1位のデイミオン・リーがマークする46.8パーセントを上回る。
また、勝利への貢献度を示す48分換算のウィン・シェアは、1.24でチーム3位(300分以上プレーした選手に限定)。これはチームの主力であるベン・シモンズ、エドモンド・サムナー、セス・カリー、ジョー・ハリスらを上回る数値であることを強調しておきたい。
“Scoop B”の愛称で親しまれる『Bally Sports』のブランドン・ロビンソンは、渡邊との対談を設定。チームへの適応から、お気に入りのNBA選手まで、日本人ファンが気になっていたことをぶつけている。
NBA5シーズン目にして所属球団はすでに3チーム。環境への適応は決して簡単なものではないが、渡邊自身はそれを苦にする様子はない。
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「全く大変ではありません。トロントも試合中には(ネッツと)多くの共通点がありました。どちらの球団も勝つためにバスケットボールをプレーし、彼らには勝利の文化があり、僕らにも同じものがあります。メンフィスと同様に、彼らは常にコミュニケーションを取り、互いを助け合っています。新しいチームメート、新しいコーチング、新しい街との出会いこそ異なりますが、リーグで過ごした4年間は、ここにいるための準備になりました」
また、ネッツの背番号18は、ケビン・デュラントやシモンズとのコンビネーションについてもコメント。敵のマークを引きつける不動のエースと、視野の広い司令塔は自身のプレーを楽にしてくれるという。
「彼らは素晴らしいパサーであり、僕がオープンなときはいつも見つけてくれます。彼らは僕を信頼してくれて、時々僕がシュートをためらうと、彼らは『シュートを打て!』と怒るんです。ベンとKDが僕にシュートを求めるんですよ? うれしいですよね! 僕は彼らのおかげでいいシュートが打てますから、サポートに感謝しています」
今シーズンのハイライトは、冒頭でも触れた飛躍的な成長が見受けられるアウトサイドだろう。その精度の高さから、最近では3ポイントコンテストへの参加も騒がれるほどだ。しかし、本人はハリスやロイス・オニールといった継続性のあるシューターの存在に言及し、「まだ自分のことを素晴らしいシューターとは信じきられていない」と謙遜。そして、コンテスト参加についても「参加できれば光栄だが、招待されなくても問題ありません」と冷静に返答した。
そして、子どもの頃に憧れた選手を問われた渡邊は、コービー・ブライアントの名前を挙げている。その過程では、最も印象に残っているゲームについても触れている。