
「ちゃんよたとの結婚」の夢は取りあえず棚上げ!?
「BreakingDown」での活躍で一気に名を広めた“胸毛ニキ”こと八須拳太郎が2月7日、秘めたる夢だった、かつての師匠ともいえる存在の日高郁人との対戦を自らの手で勝ち取った。
八須はこの日、ホームリングである「P.P.P.TOKYO」のSODとのコラボ興行「Love&Party2023~愛と恍惚の遊宴」(東京・新宿FACE)でマジックミラー号マスクと対戦。この試合は八須が勝てば「男の夢をなんでも叶えられる」というルールで行われた。
カード発表会見で八須は「彼女いない歴17年。まず彼女、いや結婚がしたい。その結婚したい相手はちゃんよたさん」と自らの夢を高らかと宣言。この日のオープニングでも「ちゃんよたと結婚したいです」と改めて宣言していた。一方、マジックミラー号マスクは会見で「私が勝ったら、あなたの出場が決まっている『BreakingDown7』の出場枠をもらいます」と逆要求。試合前には八須が敗れたら出場権がマジックミラーマスク号及びSODに譲渡されることがアナウンスされていた。

試合は日本ブラジリアン柔術連盟会長の中井祐樹氏に師事する八須がスタートからグラウンドの関節の取り合いに持ち込む。そしてスタンドの展開になると八須は自らにも気合を入れるように思い切り張り手一発をかまし「かかってこい!」。マジックミラー号マスクも張り手を返すが打ち勝ったのは八須。しかしマジックミラー号マスクは得意のヒールホールドを繰り出し徐々にペースを取り返す。
左足に集中攻撃を加えながら「俺がBreakingDownに出てやる」と心理戦も仕掛けていく。そして八須を抱え上げると駅弁ドライバー。自らにもダメージが大きい技とあって、立ち上がれないマジックミラー号マスクはフォールに行けない。九死に一生を得た八須はコーナートップに座ると自らの胸にマジックミラー号マスクの顔を押し付け胸毛攻撃。しかしマジックミラー号マスクはブレーンバスターの形で抱え上げるとそこから再度の駅弁ドライバー。

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八須がスタンドでアームロックを狙うとマジックミラー号マスクは変形のエクスプロイダー、蹴り足をつかんでは変形キャプチュードと多彩な投げ技で八須を追い込んでいく。しかし八須はカウント2で返す。フィニッシュを狙ったマジックミラー号マスクが会場に響き渡るほどの強烈な頭突きからラリアットを狙うが、交わした八須はフランケンシュタイナーで逆転の3カウントを奪った。
試合後、潔く負けを認めたマジックミラー号マスクに促され、マイクを持った八須は「俺の夢はちゃんよたと結婚したいです。と言いたいところなんですが、俺は実は12年前に某プロレス団体に入門して、あまりの厳しさに挫折して夜逃げしました。その時にコーチとしてものすごくお世話になっていた方がいます。その選手は日高郁人選手です。日高郁人選手と試合をさせていただけませんでしょうか」とこれまで胸の内に秘めてきた夢を口にした。

これを聞いたマジックミラー号マスクが「分かった。お前の望み、かなえてやろう」と言うと日高が登場。日高は「俺は君の夢をかなえるために来たけど、思い出作りじゃないんだよ。なあ、俺に勝ちたいんだろう? 俺を倒したいために呼んだんじゃないの? だったらさ、もっと気持ちが見たいんだよ。俺は今年50になったけど今でも毎日鍛えているよ」といきなりリング上でスクワット。八須も声を出し気合を入れながら続くと、日高は「その気持ちが見たいんじゃないかよ! よし! やろう」と八須の願いを受け入れ、5月16日に行われる団体初の後楽園大会でのシングルマッチが決まった。
最後にもう一度マイクを握った八須は「5月16日、日高郁人選手との試合が決まりました。僕のプロレス人生を、12年間の思いをかけて戦います」と意気込みを見せた。
八須はバックステージで「12年前にコーチとしていろいろなご指導をしていただいたんですが、あの時はまだまだ未熟ですぐに夜逃げしてしまった。12年間の時を経て僕の成長した姿を日高選手に見せていけたらと思っています」とも語った。
日高は「当時から体力はすごかった。残念ながらあの時はプロレスラーをあきらめた。僕も入門こそしていないが、一度あきらめたことはあった。そういう男が夢をつかんだ。ただリング上でも言ったが、そういうエモい気持ちで、ただ思い出作りで対戦してもしようがないと思っていた。彼は若いし、プロレス界で名を挙げていかないといけない人間なので、どうせやるなら俺を倒すつもりでやらないと意味がない。そういう強い気持ちで戦おうという、1対1の男の勝負。彼の夢も全部背負った上で俺は倒しに行く」と決意を見せた。