SIX LOUNGE
セットリストのいいスパイスになっていたのは、ダンサブルなビートに哀愁あるメロディをあえて掛け合わせた「New Age Blues」。「DO DO IN THE BOOM BOOM」を経て、パンクのビートとともに始まったのは「スピード」で、その後「トラッシュ」に突入する黄金の流れ。さらに「俺らもやろうかな」と言いながらの本家「ピアシング」。「ごめん、アンコールでやるはずだったけど、テンション上がったけん、やるな」と前置きしてからのw.o.d.「1994」カバー。「あー、気持ちいいなー。ありがとうございます!」とヤマグチ。「w.o.d. ありがとう。カッコいいバンドだなと思ってるし、人間も最高。6ヶ所も同じバンドとまわることはなかったので、好きすぎて(別れが)つらいです」という気持ちとともに鳴らしたのは「上海DOLL」で、会場の外にまで突き抜けるようにバンドの音が響く。

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感染症対策のガイドラインが徐々に緩和され、ステージから見えるフロアの光景も変わりつつあることを実感してか、MCでは、「クアトロこの前もやりましたけど、その時よりもまた良くなってますね。ちゃんと進んでるなと思って嬉しくなりました」と語る一幕も。「ほぼ同世代にこんなカッコいいバンドがいるって嬉しくなりますよ。そんで、この2バンドにこんなに集まるんでしょ? 最高。未来しかないです」という言葉とともに演奏したのは「メリールー」で、「天使のスーツケース」、「僕を撃て」と続けて本編を締めた。

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アンコールでは、ビール片手に登場した ヤマグチの呼び込みで全員が登場。ステージ上で(ツアータイトルになったドラマに因んで)グラスにウイスキーを注ぎながら、サイトウの「PEAKY BLINDERS!」の掛け声で乾杯。その後は「1994」、「ピアシング」をともに演奏したが、フロア後方からだと今誰が演奏しているのか正確に把握できないほど、ステージ上はわちゃわちゃとごった返している。とりあえず「ピアシング」2連投のうち、2回目の方は中島が歌うレアバージョンだったこと、もはや無礼講といった具合に6人が混ざり合い、楽しそうにしていたことは確かだ。2組の共鳴がライブハウスにもたらした熱狂は、最後に温かい余韻を残したのだった。
取材・文=蜂須賀ちなみ

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