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SIX LOUNGE × w.o.d. 白熱のロックンロール・ショー、“PEAKY BLINDERS”ツアー追加公演を観た

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w.o.d. / SIX LOUNGE


SIX LOUNGE × w.o.d. スプリットツアー“PEAKY BLINDERS”  2023.1.25  渋谷CLUB QUATTRO

SIX LOUNGEとw.o.d。オーソドックスなロックンロールを鳴らす3ピースバンド2組のスプリットツアーが、1月25日の渋谷CLUB QUATTRO公演で幕を閉じた。大津、甲府、郡山、新潟、熊谷公演を経て開催された追加公演は、彼ら曰く「ツアーファイナルが打ち上げだとしたら今日は二次会」とのことで、まさに宴と呼びたくなる空気。1週間で6回も対バンし、濃い日々をともに過ごした2組と、ド平日のライブハウスを超満員にさせたオーディエンスが、ロックンロールを肴に大盛り上がりだ。バンドのサウンドはもちろん、観客が突き上げる拳の一つひとつも力強く、魂がこもっているように感じられる。コロナ禍に入ってから、ライブハウスもロックバンドも厳しい時期を味わったが、今ここにある熱気はコロナ禍以前と何ら変わりない。会場は“俺らもお前らも最高!”的なポジティブなムードに包まれていて、実際メンバーもそういった言葉を観客に何度も投げかけていた。

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先に言ってしまうと、アンコールでは両バンドのメンバー全員が出てきて、w.o.d.の「1994」とSIX LOUNGEの「ピアシング」を演奏した。こういう段取りは普通サプライズにしておくものだが、ライブ本編では先出しのようにw.o.d.が「ピアシング」を、SIX LOUNGEが「1994」をカバー。“やりたいからやるっしょ”と本能に突き動かされている姿がかえって痛快で、また、どちらももはや自分の曲のようになっているのが微笑ましかった。MCによると、「ピアシング」はこのツアーで計20回近く演奏されたそう。単純計算で1日3回以上演っている。

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そんな熱狂のツーマンを振り返りたい。先攻はw.o.dで、後攻はSIX LOUNGE。出演順はじゃんけんで決めたとのことで、w.o.d.のサイトウタクヤ(Vo/Gt)は「あっち(SIX LOUNGE)の方が男気あるってことで。まあ分かるっすよね」と言っていたが、サイトウがギターを掻き鳴らすなか、Ken Mackay(Ba)、中島元良(Dr)が同じリズムに刻み、観客も同じリズムで手拍子した1曲目「失神」からして一音一音が骨太で、それこそ男気のようなものを感じる。サイトウが「w.o.d.です」と一言加えることでこの曲を挨拶に替えると、8分刻みのベースにドラムのキックやノイジーなギターが重なり、「イカロス」へ。楽器の出音もボーカルの発音も初速が速く、サウンドはどんどん鋭利になっていく。特に終盤の畳みかけが凄まじく、曲が終わると、ナイスプレイと言わんばかりにフロアから「フゥ―!」と歓声が上がった。「Fullface」までの3曲で観客の心を焚きつけたあとは「サニー」、「煙たい部屋」といったミディアムナンバーを響かせる。

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MCに入ると一番に観客に「最高です」と伝えたサイトウ。ここでは、ツアータイトルの『PEAKY BLINDERS』はイギリスのドラマからとったと紹介し、「SIX LOUNGEも俺らも楽しくやれてます。今日も好きに楽しんでくれたらと思います」と語った。そして「去年世界中で一番いいアルバムを出しました。そこから1曲やります」と、4thフルアルバム『感情』収録の「オレンジ」を披露。甘酸っぱい余韻が広がるなか、リズミカルなビートとともに「馬鹿と虎馬」で転がり出す。そして間髪入れずに歌い始める「リビド」。爆発力が凄まじい。短いMCを挟み、「めっちゃカッコいい曲やるので」とSIX LOUNGE「ピアシング」をカバーすると、休符込みのギターリフによる緊張感で場の空気を変えてから再び疾走。「モーニング ・ グローリー」、さらに「Mayday」へ。ここでw.o.d.流の4つ打ちダンスナンバー「踊る阿呆に見る阿呆」を投入されたらブチ上がらざるを得ない。ぶっといベースが轟いたと思いきや、再びの「ピアシング」。そして「1994」でさらにスピードを上げると、「またね、SIX LOUNGE楽しんで!」(サイトウ)と駆け抜けた。

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SIX LOUNGE


ヤマグチユウモリ(Gt/Vo)、イワオリク(Ba)、ナガマツシンタロウ(Dr)の3人でジャーンと一発鳴らしたあと、「トウキョー!」とヤマグチが叫び、SIX LOUNGEのライブがスタート。バンドの音に誘われて、1曲目の「ナイトタイマー」から早速たくさんの拳が上がる。シンコペーションのリズムが疾走感をさらに増幅させる「STARSHIP」はヤマグチの歌声も気持ちいい。<I LOVE YOU YEAH>のロングトーンも伸びやかに響くなか、今度はゴツッとしたサウンドで鳴らされるリフが楽しい「23歳」だ。そして「好きなバンドとツアーまわって、最終日にこれだけ集まるだけで十分なんですけど、もっとすごいところまで行って、何も残らないくらいになりたいですね!」(ヤマグチ)と語ったあとは、「スゲー風吹かせて帰ろう!」と最新曲の「キタカゼ」へ。ヤマグチの歌唱力が際立つ歌い出しも印象的なこの曲はストレートなギターロックソングで、ダイナミックなアンサンブルからは包容力も感じられる。

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