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WBA2位・亀田和毅、地元・西成からスーパーバンタム級戦線に殴り込み

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「亀田家の最終兵器」2月25日にカスティージョ戦

プロボクシングの前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(29=大橋)が転向して俄然、注目度が上がっているスーパーバンタム級。井上はWBOで1位にランクされているが、WBA、WBC、IBFのランキングには名前がない。次回更新の最新ランキングで上位に入ると見られるが、現時点でWBAスーパーバンタム級は1位が空位となっており、最上位の2位にランクされるのが亀田和毅(31=TMK)だ。

ライトフライ級、フライ級、バンタム級の3階級を制覇した長男・興毅、フライ級、スーパーフライ級の2階級を制覇した次男・大毅を兄に持つ「亀田三兄弟」の三男。デビュー前から「亀田家の最終兵器」と呼ばれ、ボクシングセンスは三兄弟で一番高いと言われていた。

賛否両論の分かれる派手な言動とパフォーマンスで何かと話題を集めた兄2人に比べ、和毅が歩んできたボクサー人生は大きく異なる。2008年にメキシコでプロデビューすると、その後もメキシコを主戦場としてキャリアを積み、2013年8月にセブ島でWBOバンタム級王者パウルス・アムブンダ(ナミビア)に3-0の判定勝ちで念願の世界王座を獲得した。

同王座を3度防衛後、WBA同級王者ジェイミー・マクドネル(イギリス)に挑戦(WBO王座は剥奪)したが、判定負けで無冠となり、マクドネルとの再戦でも判定負け。2016年10月に協栄ボクシングジムへ移籍してからは日本に主戦場を移し、2018年11月にWBCスーパーバンタム級1位アビゲイル・メディナ(スペイン)に判定勝ちしてWBCスーパーバンタム級暫定王座を獲得した。

しかし、2019年7月に正規王者レイ・バルガスに敗れてベルトを失い、その後は兄・興毅が開設したジム「3150ファイトクラブ」や兵庫県西宮市に新設された「TRY BOX平成西山ジム」など所属を転々と変え、2022年12月に地元・大阪市西成区に自ら「TMK GYM」を設立。元協栄ジム会長の金平桂一郎氏を会長に迎えて再スタートを切った。

戦績は39勝 (21KO) 3敗。2月25日にWBAスーパーバンタム級13位ルイス・カスティージョ(メキシコ)と対戦することが決まっている。2021年12月にヨンフレス・パレホ(ベネズエラ)との挑戦者決定戦に判定勝ちしてWBA・IBF同級王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)への挑戦権を獲得しているが、次戦で明確な勝ち方をすればランキングを考えてもいよいよ世界戦のチャンスが巡ってきそうだ。

世界挑戦はアフマダリエフの動向次第?

アフマダリエフは今春にもIBF同級1位マーロン・タパレス(フィリピン)と防衛戦に臨むと報じられている。カスティージョ戦次第ではあるが、アフマダリエフがタパレスを下せば、次は亀田の番となるのが自然だろう。

アフマダリエフはリオデジャネイロ五輪バンタム級で銅メダルを獲得後にプロ転向。2020年1月にダニエル・ローマンに判定勝ちして2団体のベルトを巻き、2021年4月には岩佐亮佑(33=セレス)に5回TKO勝ちするなど3度の防衛を果たしている。

元五輪メダリストとは思えないほどの荒々しい左右フックを振り回し、これまで11戦全勝(8KO)。亀田とは噛み合いそうで、スピードで距離を保ちながらカウンターをヒットできれば、身長の高い亀田が勝つチャンスもあるだろう。

ただ、井上尚弥の参戦でスーパーバンタム級はにわかに慌ただしくなっている。井上は5月にもWBC・WBO王者スティーブン・フルトン(アメリカ)への挑戦が報じられており、勝てば一気にアフマダリエフとの4団体統一戦に向かう可能性がある。

アフマダリエフも防衛戦を消化するより巨額のファイトマネーが見込める井上との統一戦の方が旨味があるのは間違いない。そうなると、亀田はまたも待たされる可能性がある。亀田が望む井上尚弥戦を実現するには、自らが他団体の王者となるしかないかも知れない。

さらにWBC1位ルイス・ネリ(メキシコ)やWBC8位ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)らスーパーバンタム級には世界の猛者が手ぐすねを引いて世界挑戦の機会をうかがう。

これまで日本では露出の少なかった「亀田家の最終兵器」にスポットライトが当たる日は訪れるか。まずはカスティージョ戦で周囲を納得させるような結果が期待される。

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