皐月賞、そしてダービーへと向かう馬たちにとっては重要なステップレースで、過去の優勝馬にはサトノダイヤモンドやルージュバックなども名を連ねているのだが、翌週に共同通信杯が組まれていることもあって、ここ10年の平均出走頭数は9頭。ゆったりとしたローテーションで春本番を迎えたい馬には、賞金を加算するための貴重なレースだ。
◎レミージュはエリカ賞の優勝馬。エリカ賞といえばクロフネやアドマイヤグルーヴ、あるいはキングカメハメハやエイシンフラッシュというのちのGI優勝馬が過去の優勝馬にその名を連ねる出世レースだ。本馬は430kg台という小柄な牝馬で、昨年8月のデビュー戦は出遅れたこともあって見せ場なし。しかし、秋に復帰すると芝1800mの未勝利戦、エリカ賞を連勝した。1戦毎にレース内容が確実に良化しており、渋太さばかりが目についたデビュー戦に比べ、エリカ賞ではレースを支配するような内容で逃げ切り勝ち。長く良い脚を使うタイプで、完成度という点で一日の長があるように見える。
〇フリームファクシは3戦2勝2着1回。秋華賞、ナッソーSに勝ったディアドラの半弟でもある。前走は今回と同じ中京芝2000mの1勝クラス平場戦に出走し、圧倒的な1番人気に応えるように快勝。2着ダノントルネードというのも胸を張れるし、今回、再び顔を合わせるシェイクユアハート、ノーブルライジングにも先着している。こちらは500kgを超える大型馬。まだ若さが残り、力みながらの追走にもかかわらず2連勝は評価したい。将来性はこちらの方が上かもしれない。
▲オープンファイアはアイビーS3着馬。中京競馬場芝2000mコースはデビュー戦を飾った縁起の良いコースでもある。過去2戦はいずれもゆっくりスタートして、促されながらの追走になりながらも最後の直線でギアが入ると強烈な決め脚を発揮している。今回がデビュー3戦目。ディープインパクト産駒らしい大物感を感じさせる1頭で、馬がレースということを覚えてくれれば、これまでのレースと一変する可能性を秘めている。
△クールミラボーは阪神競馬場ダート1800mを勝ち上がってきたドレフォン産駒。デビュー戦は3着以下を7馬身引き離す2着で、前走は圧倒的1番人気に応えるように楽勝した。今回が初の芝コース実戦となるが、イタリアの2冠牝馬ライトバンクにさかのぼるファミリーで、曽祖母ヴィクトリーバンクはエリザベス女王杯5着馬。母サンソヴールも園田競馬で勝ち上がってきた馬とはいえ愛知杯2着馬で、近親にはユニバーサルバンクなど芝の活躍馬が多いファミリーだ。穴ならこの馬かもしれない。
【きさらぎ賞予想】クラシック三冠へ重要な階段 出世レースの勝ち馬を本命に
2023年2月5日