イギリスの妊婦殺害事件で逮捕されたYouTuberが、アリバイづくりのためにYouTubeで生配信をおこなっていた疑いがあると報じられています。
妊婦女性が殺害された日の夜にライブ配信を
昨年12月18日、北アイルランドのシルバーウッドグリーンで、妊娠15週目の妊婦だったナタリー・マクナリーさんが殺害されるという事件が起こりました。その翌日、YouTuberのVotesaxon07」(登録者数3万人)ことステファン・マッカラーが殺害の容疑で逮捕されましたが、事件当日はYouTubeで生配信をおこなっていたため釈放されました。
しかし事件発生から1カ月余りが経過した1月31日、マッカラーは再逮捕され、裁判所で口頭尋問が行われました。口頭尋問には、BBC、ガーディアン紙などの各メディアが取材に訪れ、その内容を報じています。
報道によると、検察側は、技術的な分析により生配信は事前に録画されたものであると判断したと主張。「高度に練られ、計算された冷静な犯行」であるとマッカラーを非難し、「想像を超える偽装能力がある」と述べたとのこと。しかしマッカラーの弁護士は、生配信が録画であっても彼を殺害犯とする強い証拠にはならないと反論したとのこと。口頭尋問の前日には、マッカラーが、配信は事件の4日ほど前に録画したものだと認めた書面を検察側に提出したとされています。
地元のメディア業界で働いているというマッカラーは、釈放後から数週間にわたってナタリーさんの家族と交流をもっていたとのこと。ナタリーさんの家族が自身に疑いを抱いていないか調べるため、わざとナタリーさん宅に携帯電話を忘れ、会話を録音していたとも報じられています。
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なお、マッカラーとナタリーさんの関係については詳しく報道されていません。
コメント欄では非難の声が多く寄せられる
マッカラーが事件当日の夜におこなっていたのは人気ゲーム『グランド・セフト・オート』のゲーム実況で、配信は6時間にわたっておこなわれました。マッカラーは配信中に何度もライブであることに言及する一方で、技術的な不具合によりライブチャットへの返信はできないとしていました。
その日の配信アーカイブは現在もYouTube上で公開されており(年齢制限あり)、コメント欄では、
なんて悪意と暴力に満ちた男なんだ。
ナタリーの家族のために正義は果たされる!
など、マッカラーを非難する声や殺害されたナタリーさんの冥福を祈る声が多く寄せられています。
BBCによると、2月24日に再び口頭尋問が開かれ、マッカラーが出廷する見通しとなっています。
