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「300万円の墓」を購入した顧客…「墓じまい」のつもりが一転、高額な出費を決断したワケ

幻冬舎ゴールドオンライン

昨今の相次ぐ物価上昇は一向に収まる気配がありません。そんななか、重要性を増しているのが「値上げして、適正な価格で販売すること」です。本連載では「感性と行動の科学」に基づいたビジネス理論を研究するオラクルひと・しくみ研究所代表の小阪裕司氏が、著書「『価格上昇』時代のマーケティング なぜ、あの会社は値上げをしても売れ続けるのか」から、適正な「値上げ」をして、かつ売上を高める「戦略」について解説します。

一見ありふれた汎用品こそ「価値」の宝庫

「価格」とは、買う側が「どう価値を感じるか」に連動する。

お客さんが「価値」を感じれば、「価格」は二の次になる。

したがって、「値上げ」を受け入れてもらうためには、その「価値」を語ることが大事である。

しかし、この話をするとよく、大手企業の人からこう言われることがある。

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「手作りの職人技術のようなものを持っている会社はいいのですが、うちのような汎用品を作っているところでは、価値を語ろうにも語ることがないんです」

だが、本当にそうだろうか。

私は今、大企業である明治グループの方々とお付き合いさせてもらっているが、そのご縁で、商品開発に携わる方々からいろいろなお話を聞く機会がしばしばある。

たとえば「ガルボ」というチョコレートは、表面が融けにくくベタベタしない。そのため、仕事中や勉強中に口に運ぶのに適している。それを実現するためにどのような技術が必要なのか、その背景にはどんな苦労があったのか。

あるいは「おいしい牛乳」なら、その「おいしい」を保つためにどんな工夫をしているのか。どれも目から鱗が落ちる話ばかりだった。

そう、大企業だから、汎用品を作っているから、こだわりがないなんてことはまったくないのだ。むしろ多くの人が関わっている企業ほど、実は語られない価値が眠っている可能性もある。

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