
第94回米アカデミー賞国際長編映画賞中国代表に選ばれた巨匠チャン・イーモウ監督作『崖上のスパイ』が2023年2月10日(金)より、新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン 池袋ほか全国公開となります。
本作は、多岐にわたるジャンルで数々の大ヒット作を世に送り出してきた世界的巨匠チャン・ イーモウ監督が、初めて挑んだ本格スパイ・サスペンスにして、中国で監督作史上最高の興行成績を記録し大ヒット作となった注目作です。このたび、チャン・イーモウ監督が日本の観客に向けて語ったインタビューが到着しました。
1934年冬の満州国ハルビンを舞台に、ソ連で特殊訓練を受けた男女4人のスパイ・チ ームが極秘作戦に命懸けで潜入するが、そのミッションは天敵である特務警察に察知されていた・・・。ヒッチコックの名作を彷彿とさせる列車内の攻防、ハルビン市街地や迷路のような路地での激烈なチェイス、銃撃戦といった息づまる見せ場が満載。スパイの信念と特務警察の威信をかけた騙し合いは、観客をも欺いて翻弄し、予測不能なスリルを楽しめる。美しい色彩に定評のあるチャン・イーモウ監督は、雪と闇に彩られた鮮烈な世界観を構築。心に染みる温かいヒューマニズムも吹き込まれ、多彩なジャンルに精通する巨匠の美学と技巧があらゆる細部にまで宿った。
キャストには、チャン・イーモウ監督の近作『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』主演を務めた中国映画界の実力派チャン・イーをはじめ、『わたしは潘金蓮じゃない』、TVシリー ズ「三国志~司馬懿 軍師連盟」のユー・ホーフェイ、『ドリアン ドリアン』『桃タオさんのしあわせ』のチン・ハイルー、『1950鋼の第7中隊』のチュー・ヤーウェン。そして近作『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』で銀幕デビューした、リウ・ハオツン。かつてコン・リー、チャン・ツィイー、チョウ・ドンユィを見出したチャン・イーモウ監督に発掘された新星が、可憐で芯の強いチーム最年少スパイを体現しているのも注目だ。中国映画界の実力派と若手ホープのキャストが魅せるスパイの信念と哀愁のドラマは、中国のアカデミー賞である2021年金鶏奨で監督賞、主演男優賞(チャン・イー)、撮影賞を受賞。
このたび到着したチャン・イーモウ監督のインタビューでは、「生き残ろうとする」「生きていく」というテーマが「多くのスパイ映画とは違う点だ」と語っています。初期の名作『紅いコーリャン』や『活きる』をはじめ、困難な状況の中であがく名も無き人々の物語を作ってきたチャン・イーモウ映画の真髄が、『崖上のスパイ』でも描かれていることが伝わるインタビューです。その他、キャスティング、 豪雪シーン撮影へのこだわりに加えて、自身の監督作で最高の興行成績を収めたことを踏まえて現在の中国映画産業について考えること、さらに、本作に込めた敬愛する日本の俳優・高倉健さんへの想いを伝えるインタビューです。
<以下、チャン・イーモウ監督オフィシャルインタビュー>
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Q1 『崖上のスパイ』で伝えたかったことは何でしょうか?
チャン・イーモウ監督(以下、監督):
『崖上のスパイ』は、4人のスパイが飛行機から地上に降り立ち、敵の罠にはまるという物語です。主に語っているのは「生き残ろうとする」「生きていく」というテーマ。この視点が面白く、多くのスパイ映画とは違う点だと思います。私はこうした「困難な状況の中であがく」という無力感や運命的な感じが好きなのです。どんな時代も、名も無き人々の物語は魅力的です。他者を救うための自己 犠牲は、いつも人を感動させます。
Q2 キャスティングで一番大事にしている点は?
監督:私が演技に対して一番に求めるのは「偽りがなく、自然である」ことです。新人俳優は現場での経験が少ないので、滲み出 るぎこちなさや自然さをカメラが捕らえた時、自然な演技だと観客に感じてもらえます。
Q3 この映画では終始雪が降っています。雪へのこだわりを教えてください。