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藤井道人監督&桐谷健太が明かす「インフォーマ」の舞台裏、日本ドラマ史上“初”を実現した新宿繁華街でのロケ撮影!

MOVIE WALKER PRESS

藤井道人監督&桐谷健太が明かす「インフォーマ」の舞台裏、日本ドラマ史上“初”を実現した新宿繁華街でのロケ撮影!

映画やテレビドラマに撮影可能なロケ地の情報を提供し、案内、調整も行う組織「東京ロケーションボックス」は、映像作品を通して東京の魅力を国内外に発信しながら、ロケ撮影で地域活性化を図ることを目的としている。今回フィーチャーするのは、毎週木曜日深夜0:25よりカンテレ(関西地区)放送中で、Netflixにて全世界配信も決定しているドラマ「インフォーマ」。桐谷健太が連続ドラマ単独主演を飾り、沖田臥竜が原作、監修を手掛け、『新聞記者』(19)や『ヤクザと家族 The Family』(21)などの藤井道人が総監督を務めている。

本作で描かれるのは、桐谷演じる裏社会、政治、芸能などあらゆる情報に通ずるカリスマ的情報屋“インフォーマ”木原慶次郎が、週刊誌記者の三島寛治(佐野玲於)とバディを組み、謎の連続殺人事件を追いかける物語。制作発表の取材会で「桐谷健太、覚醒の作品になりました」と笑顔を浮かべた桐谷と「撮影しながらワクワクしていた」と話した藤井監督に、本作の見どころはもちろん、新宿など繁華街でのロケーション撮影の裏話を語ってもらった。

■「いつも文化祭のような感覚で作品づくりをしている」(藤井)

――本作出演の決め手を教えてください。

桐谷「決め手は藤井監督だから、です」

藤井「僕から直接『健太さんにやってほしいんです』とお願いしました。原作の沖田さんは(映像化するうえで、内容は)自由に変えていいというタイプの方なので、そこまで原作のイメージに縛られることはなかったのですが、関西弁を話し、ある種剛腕で強引な部分があるけれど、憎めないキャラクターはそのままで…と思った時に、健太さんが浮かびました。単純にファンとして観たいと思ったので、直接連絡してお願いしました」

桐谷「本当にうれしかったです。脚本を読んだ時、これを藤井くんがやるならおもしろくなるな、ぜひやりましょうという気持ちになりました」

――今回、桐谷さんは連ドラで単独主演が初とのことですね。

藤井「驚きでした」

桐谷「でも、連ドラ初の単独主演を『インフォーマ』でやれたのはすごくうれしいです。僕にとっては覚醒できたと実感した作品なので」

――出来上がった作品を観て、“覚醒”を感じましたか?

桐谷「感じました。実は、キャスト4人で大きなプロジェクターのあるカラオケを貸し切り、大音量で鑑賞しました。自分が出ている作品ですが最高でした、本当に。出演しているのに、何度も観てしまうなんてなかなかないこと。中毒性は僕自身も感じました。音楽の入れ方やタイトルがドーンと出てくる感じとか『かっこいい!洒落てるな!』と感じたし、毎話終わるごとに拍手が沸き起こる鑑賞会でした(笑)」

藤井「あははは」

桐谷「過去パートが描かれるエピソードは、何度観ても泣けるとすでに6回も観たキャストが言っていて。実は、僕も観て泣きました。『さすがやな、藤井くん』って思いました」

――数々の作品で、キャストの方々に毎度「さすが」と言わせてしまう監督、やっぱりすごいですね。

藤井「いつも文化祭のような感覚で、作品づくりをさせていただいているという気持ち、毎回、本当にありがたいと思っています。今回はすごく暑い時期での撮影だったのですが、スタッフ、キャスト誰ひとり嫌な顔をせずに楽しんでくれたので、よかったなって思っています」

――カリスマ的情報屋“インフォーマ”木原慶次郎はどのように作り上げていったのでしょうか?登場シーンはゾクゾクして引き込まれました。

藤井「細かい話は特にしなかった気がします。木原の素性はわからないけれど、三島を強引に引っ張っていく、もっと言えば、首根っこを掴んでいるような大胆不敵な木原が見たいですと最初にお伝えして。数日一緒にチューニングしただけですぐに木原像ができた記憶があります」

桐谷「最初に的確にイメージを伝えてくれるので、あとは脚本を読めばわかるというのは本当にありがたかったです。木原が口にする『ポンコツ!』というセリフも、言い方をひとつ間違えると悪口に聞こえてしまうけれど、過去にいろいろなことがあって繊細さや脆さも持っている人間であることは、脚本にもしっかり書いてあったので、すごくおもしろい感じで演じられるというワクワクがありました」

■「新宿で車を牽引しながら撮影するシーンは、日本の作品では『インフォーマ』が初らしい」(藤井)

――第1話で登場した人体発火のシーンは、新宿で撮影されたそうですね。かなりインパクトのある映像になっていました。

桐谷「本当に、すごいですよ」

藤井「ロケ地選びってすごく大変だし、いまは基本的にはCGを使い、やったてい、車に乗ったていでお願いしますというのがほとんどです。でも、僕はロケって『やると言ったもん勝ち』だと思っています。例えば今回でいうと、新宿で車を牽引しながら撮影するシーン。海外の作品では昔やったことあるらしいですが、日本の作品では初らしいです」

桐谷「マジで!?すごっ!」

藤井「お店も実際の歌舞伎町の通りを使って撮影させていただいたし、火だるまも本当に発火して撮影しています。やらせてもらえる環境を、スタッフをはじめとする周りの人に作ってもらいました。本当に感謝しています」

――藤井監督が撮りたい人であり、譲らない人というのをわかっている方たちですからね(笑)。

藤井「もはや、僕がそういう部分を譲る人間だとは思っていない面々が制作部には集まっているので(笑)。健太さんが感心していた、スタントマンさんが車に轢かれるシーンにしてもそう。僕の監督回に登場した車に轢かれるシーンを観たセカンド監督の逢坂元が『藤井ちゃんと同じことをやるのは癪だから』とアクション部と入念に相談して、別の回ではCGではなく、人が車に轢かれるシーンを実際の撮影で挑んだんです。『違うことをやってやろう』とわざわざ大変なところに挑むなんて、ちょっと頭おかしいなと思いましたが、そこがおもしろいところでもあるんです」

桐谷「目の前でその撮影シーンを見た時は『あー…』って声が出ました。このドラマの撮影、終わっちゃったかも…って(笑)」

――撮影部の本気を見て、ご自身の演技にも刺激になったりしましたか?

桐谷「すごくなりました。現場に行くのは祭りに行くような感覚で、すでにテンションも感覚も上がっているなかでさらにそのようなものを見せられたら、もうなんでもやれる気がしたし、とにかく楽しみながら全身全霊でやり切りました」

――最高の現場ですね。

桐谷「本当に最高でした。最終話までどんどんすごくなっていきます。見どころだらけです」

藤井「キャストがどんどん出てくるところにも注目してほしいです。木原の和彫にもちゃんと意味があり、こだわりはしっかりあります。時間や予算の関係でパスしがちなところでもあるのですが、知恵を絞ってできるところまでこだわり抜いてやった感じです」

桐谷「工夫は大事だなと心から思いました。配信されているNetflixの作品一覧には、たっぷりと予算をかけた海外のタイトルが並んでいます。そこに並んでいても工夫したゆえのシンプルな強さが映像から伝わる作品で、まったく引けを取らない気がしました。この作品はCGなどを派手に使っていなくても、工夫することで力のある映像に仕上がったと思っています」

――本作の制作発表会見で藤井監督がおっしゃっていた「丁寧に入念に裏打ちをされた準備をすれば、やりたいと思ったことは実現できる」につながりますね。
藤井「そうそう。ロケ地は『やりたい!』と言ったもん勝ちですし、あとはやっぱりチームワークがあれば!今回も喧嘩もないし、仲間で楽しく作っている現場です」

桐谷「喧嘩はないですね。かなりアツい現場ではあるけれど(笑)」

■「『インフォーマ』は劇薬のような超刺激的なドラマ」(桐谷)

――撮影で印象に残っていることはありますか?

桐谷「森田剛くんとはドラマ『ランチの女王』以来、約20年ぶりの共演。今回はガッツリと芝居ができる共演で、ものすごく感慨深いです。個人的には、森田くん演じる謎の男の仲間役で登場する金髪の、一ノ瀬ワタルとの共演も感慨深くて…。以前、僕が出演していた作品に彼がエキストラで参加していて出会いました。『おもしろいやつがおる』と思って声をかけて焼肉に誘ったら、彼が1m半くらいジャンプして『やったー!』って喜んでくれたんですよ(笑)。そこから10年経って、こういった形で共演できるのはすごくうれしくて。一ノ瀬は今回、ドラマのなかでの感情を爆発させて叫ぶシーンがあったのですが、僕と芝居をできているうれしさで心のなかでは『桐谷さーん!』って叫んでいたと話していて(笑)。すごくインパクトのあるシーンになりましたし、いい芝居だと思ったのですが、心のなかで僕のことを考えていたなんて聞いたら、うれしかったけれど、ちょっと笑っちゃいました。どんな複雑な想いで芝居してるんやと(笑)。すごくプライベートなことですが、そんな喜びもあったドラマでした」

――とてもステキなエピソードです。では、最後に今後の展開を楽しみにしている方に本作の見どころをお願いします。

桐谷「劇薬のような超刺激的なドラマになっています。刺激がほしいなと思っている方にとてもおすすめです。観たら興奮して眠れなくなってしまうかもしれないくらい、楽しめる作品になっています。ぜひ、刺激を楽しんでいただきたいです」

藤井「いま、世の中では禁止されていることがすごく多いけれど、だからこそ覗き見したくなったりします。世の中のタブーなど様々なことに対して、先頭を切って突っ込んでいくのが木原です。自分じゃやらないけれど、自分がやってほしいことを全部背負ってくれる、ある種、ダークヒーローとして描いています。そんな彼に惑わされる三島くんを見て笑う。こういう時代だからこそ、フーテンじゃないけれど、かっこいい生き様を見せてくれる男として描いた木原というダークヒーローの姿を、ぜひ、楽しんでください」

取材・文/タナカシノブ
 
   

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