
持ち物は、その人自身を映す鏡だ。素敵だと思われる人のバッグには、何が入っているのだろうか?
上質なものを少しだけ持つこと=「ミニマムリッチ(R)」を提唱しているのは、キャリアコンサルタントの横田真由子さんだ。たくさんのものではなく、厳選したものを持つ良さとは? ケリングジャパン(旧GUCCI JAPAN)の販売員として数々のVIPを接客した経験から、品と余裕を感じさせる「あなたの印象を美しくする持ち物」のポイントを教えてくれる。横田さんの著書『一流のお客様に学んだ気づかい 大人女子の小さなマナー帖』(大和書房)の内容を見てみよう。
自分の”モノサシ”で持ち物を選ぶ
営業職だったあるお客さんのバッグには、「三種の神器」が入っていたそうだ。それは、目の疲れ=表情の疲れを防ぐ目薬、靴擦れの応急処置用の絆創膏、除菌・乾燥対策のプロポリス飴。「いい仕事をするにはセルフケアが大事なの」と語っていたという。
この人のように、自分の価値観で「これ」と思ったものを厳選して持ち歩くことが大事だと横田さんは言う。
余計なものは持ち歩かない、最低限必要なものだけにしようと取捨選択することで、人生におけるプライオリティも明確になります。
いつも持ち歩くバッグの中身は、あなたの心でもあります。何を入れて、何を諦めるのかを決める自分のモノサシを持つことができると、そのモノサシはあなたに自信をもたらしてくれます。バッグに入っているものは、あなたの生き方そのものです。
”モノサシ”を持たないまま、あれもこれもと持ち物を増やすと、本当に大事なものがわからなくなる。持ち物を選ぶ前に、「自分のスタイル=生き方」を見つけることが重要だ。横田さんの”モノサシ”は、「ご機嫌でいること」。手触りのいいハンカチや、母からもらった手鏡、美しいフォルムの香水など、ほっとして気分が上がるものを持ち歩いているという。

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また、持ち物で大事なのが「適量」だ。
少なすぎても寂しいし、多すぎても苦しい。省いたり小さくしたり、トライアンドエラーを繰り返しながら、最適な心地よさを探していくことで、適量がどのくらいかがわかります。身の丈を知っている人は、マイスタイルを持った風通しのよい暮らしをしています。
横田さんが実践している「適量」を知る方法は、バッグの中身を透明なビニール袋に入れて、目で確かめてみることだ。多すぎる、持ちすぎていると感じたら、いらないかもしれないと思うものをまず1つ袋から出す。1週間経ったらまた1つ出す……と繰り返し、8割の量まで減らして、ワンサイズ小さなバッグにする。心がすり減ったときや余裕が持てないときにこの”選び直し”をするとよいと、あるお客さんに教えてもらったそうだ。
美しく、履き心地のいい靴を
イタリアには「靴はその人の人格を表す」ということわざがある。どんなに服に気を遣っても、靴がボロボロなら印象が台無しだ。
「靴は消耗品」だと考え、安く済ませている人もいるかもしれない。しかし、靴は見た目の印象を左右するだけでなく、足に合わないものを履き続けると健康を害する恐れも。数は少なくていいので、おしゃれで履きやすいものを妥協せず選ぶとよい。横田さんは、ある一流客から「まずは、黒のパンプスを一足、妥協なく選んでみる」と教わったそうだ。
「上質な一足を妥協なく選ぶことができると、人生が変わる」とお客様はおっしゃいました。

横田さんが「履きやすいうえに洗練された靴」だと感じたのは、GUCCIのモカシン。初めて買ったブランド品だったそうだ。
靴べらを使って足を入れたとき、ジャストサイズだと「ジュワッ」という音がします。この音は、質の高い人生を歩き始めるファンファーレのように感じました。