現代のキッズたちは、魚は切り身で海の中を泳いでいると思っているらしい。……そんな都市伝説を聞いたことがある。
実際 現代の日本で魚丸ごとの姿を見る機会は少ない。タイやアジといったメジャーどころならともかく、珍魚であればなおさらだ。
今回ご紹介する『シイラ』は、お惣菜にもよく使われている白身魚。名前ぐらいなら聞いたことがある人は多いかもしれないが、普通に暮らしていれば滅多に姿を見られない珍魚と言えるだろう。
・怪魚『シイラ』
行きつけの魚屋さんに行った時のこと。入店してすぐに大きな発泡スチロールの存在に気が付いた。
普通ならブリやマグロが入っているビッグサイズ。しかし高級魚が置かれているエリアからはちょっと離れたところにある上、遠目に見ても形がおかしいのだ。
広告の後にも続きます
「なにが入っているんだろう?」中身をのぞいたところ、シイラとの初対面を果たした。
「うわっ、気持ち悪い」
大きくへの字になった口、ぎょろりと大きな目、のっぺりとした額、黄色と深緑色のボディに青い斑点、そしてなにより不自然に長いボディ。
第一印象としては、宇宙人っぽさが半端ない。──っていうか、むしろエイリアンの頭そのものじゃん。
どうして魚って、こうも宇宙っぽさを感じさせてくるのだろう。それとも、逆にエイリアンの方が魚からインスピレーションを受けているのだろうか?
値段は格別に安く、この日は100gあたり38円で売られていた。