
温かみと落ち着きのある筆致で描かれた、読者を包み込むような包容力が印象的なエッセイ。読後、思わず家族を抱きしめてたくなるほど、心を揺さぶられる一作。 ※本記事は、幻冬舎ルネッサンス主催『今だから言える親への「ありがとう」コンテスト』大賞作、july氏の『母娘旅。』より、一部抜粋・編集したものです。
『母娘旅。』
お腹空いた。眠い。聞いて。大好き。
どうしよう。うるせぇ。触らないで。
頑張る。ごめんなさい。大丈夫。
「お誕生日おめでとう、くたばれ。」
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たくさんのありきたりな言葉。
その1つ1つに複雑な感情が重なる物語がある。
「産んでくれなんて、頼んでない。」
たくさんのありきたりな出来事。
その1つ1つを積み重ねた小さな塊が人である。
そんな風に思う。