■ドラマ「ガンニバル」とは
2018年の連載開始以来、累計発行部数210万部を超える二宮正明によるコミック「ガンニバル」を実写ドラマ化した本作。狂気の世界へと誘われて行く主人公の警察官・阿川大悟役を柳楽優弥が務め、供花村を支配する後藤家次期当主・後藤恵介役を笠松将、大悟の妻・阿川有希を吉岡里帆が演じる。監督は片山慎三、脚本を大江崇允が務める。
2022年末独占配信がスタートし、ついに最終話を迎える「ガンニバル」。話数が進むにつれてSNS上でも大きな盛り上がりをみせるが、その中でも供花村の“人を喰っている”といううわさに大きく関わり、供花村を支配する後藤家が恐れ、その存在を隠そうと必死になる“あの人”のキャラクターに注目が集まっている。
2話で初めてその姿が登場すると、原作ファンも納得する再現度の高さに驚きの声があがった。これまで一体誰が演じているのか謎に包まれていたが、最終話を前についにキャスト情報が解禁。さらに、「進撃の巨人」「シン・ゴジラ」など数々の作品で造形や特殊メークを担当した特殊メークアーティストJIROが手掛けた特殊メークのメーキング映像も解禁された。
■“あの人”のキャスト情報が解禁
後藤家が恐れる存在である“あの人”を演じたのは、オーディションで選ばれた身長195cmのモデル・俳優の澤井一希。「バチェロレッテ・ジャパン」シーズン2に参加し、その後、舞台やドラマ、さらにはバラエティー番組など活躍の幅を広げている。
出演にあたり、澤井は「素直にうれしさと自分の未知の領域を演じるワクワク感がありました。ただ、このガンニバルという作品において“あの人”という存在がいかに重大かということも認識していましたので、片山監督に『主演のような気持ちでやってほしい』というお言葉を頂き、この作品は自分にかかってるんだ!という強い気持ちと覚悟で臨もうと決めました」と、重要なキャラクターを演じるにあたってプレッシャーを感じながらも、監督の言葉を受け、強い決意を持って撮影に臨んだと明かした。
完成した姿を初めて見た心境については、「初めて完成した姿を鏡で見た時には、想像を遥かに超える“あの人”が映っていて、驚きと感動がありました。本当に大変だったと思いますが、特殊メークの皆さんが長時間かけて完璧に作り上げてくださったので、すごく自信を持って“あの人”になれました」と語った。
また、完成した“あの人”を見た他キャストたちの反応については、「すごく怖がったり再現度の高さに驚かれていたのですが、ほとんどのキャストの方が興味津々で、写真を撮ってくださりうれしかったです(笑)」と、怖すぎる特殊メークとは裏腹に現場では和気あいあいと過ごしたようだ。
さらに、「演じさせていただく上で、普通の人間では絶対にしない怪物や動物と人間の境目のような独特な動きを出すことが本当に大変でした」と、人であって人でないような特殊な存在の表現に苦労したようで、「最初は全くできませんでしたが、撮影の約3カ月ほど前から動き指導の長谷川さんに付きっきりで見ていただき、二人三脚で少しずつあの人の動きに近づけていくことができました! ぜひ、あの人の半端ない動きに注目していただけたらうれしいです!」とコメントした。
■特殊メーク完成までのタイムラプス動画が公開
“あの人”の特殊メークを手掛けたのは特殊メークアーティスト・JIRO。今回のオファーがあったときは、「ファンタジーではなく、リアルな世界観に落とし込む高いレベルの特殊メークが必要とされていることを感じ、とても大きなやり甲斐を感じました」と、ただインパクトのある造形ではなくリアリティーを損なわないように作り上げることが、JIRO自身にとっても大きな挑戦だったと明かしている。
デザインからマスクの彫刻・製作、義歯や手の造形に約2カ月かけて制作された“あの人”の特殊メークは、「人間としては規格外の体躯や風貌なのですが、やりすぎるとリアルな世界観を壊してしまう恐れがありました」と、リアルな作品世界観に落とし込む上での懸念があったらしく、実際に制作する上では「村のある種異様な世界観や人物像の中にあって突出した存在感を与えなければなりません。適当な答えを導き出すことが非常に難しかったのですが、監督と何度も話し合いを重ね、うまく表現できたと実感しています」と振り返った。
併せて、JIROが澤井に“あの人”の特殊メークを施すタイムラプス映像が解禁。顔の皮膚を緻密に作り上げるだけでなく、皺や皮膚の色、髪やひげの一本一本までが作りこまれている。4時間に及ぶ長時間のメークによって、視聴者の注目を一気に集めた“あの人”が出来上がり、作品のクオリティーをさらに飛躍させたことが分かる動画となっている。