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ウクライナの惨状を伝える。亡き監督の遺志を継いで完成させた「マリウポリ 7日間の記録」

キネマ旬報WEB

 

ロシアに侵攻されたウクライナの惨状をありのままに伝えるドキュメンタリー「マリウポリ 7日間の記録」が、4月15日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかで全国順次公開。メインビジュアルと場面写真が到着した。

 

 

リトアニア出身で、人類学者からドキュメンタリー監督に転身したマンタス・クヴェダラヴィチウス。彼はすでに2016年にウクライナ南東部の都市マリウポリを訪れ、人々の営みを記録した「Mariupolis」(日本未公開)を発表して高い評価を得ていた。「マリウポリ 7日間の記録」はその続編というべき作品だ。

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侵攻から間もない2022年3月に現地入りしたクヴェダラヴィチウス監督は、破壊を免れた教会に避難していた数十人の市民と生活を共にしながら撮影を開始。カメラに収められたのは、死と隣り合わせの状況でも普通におしゃべりし、助け合い、祈り、料理し、タバコを吹かし、次の朝を待つ人々の姿だった。

だが数日後の3月30日、監督は親ロシア分離派に拘束され、殺害された。助監督だったフィアンセによって撮影済み素材は確保され、遺体と共に帰国。監督の遺志を継いでチームが完成させた作品は、直ちに5月の第75回カンヌ国際映画祭で特別上映されてドキュメンタリー審査員特別賞を受賞、2022年末にはヨーロッパ映画賞・ドキュメンタリー賞に輝いた。

ここに戦闘など刺激的な映像はない。戦禍の日常を私情も感傷も交えず記録し、廃墟に流れる時間を追体験させる。それを見る私たちは何を感じ、何を思うのか。

 

             

▲マンタス・クヴェダラヴィチウス監督
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