「エヴァの告白」(13)「アド・アストラ」(19)の俊才ジェームズ・グレイが、アン・ハサウェイ、アンソニー・ホプキンス、ジェレミー・ストロングらの共演により、80年代ニューヨークに生きる少年と家族の物語を綴り、第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された「アルマゲドン・タイム ある日々の肖像」が5月12日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかで全国公開。場面写真が到着した。

1980年ニューヨーク。白人の中流家庭に生まれ育った12歳のポール(バンクス・レペタ)は、公立学校に通っている。PTA会長で教育熱心な母エスター(アン・ハサウェイ)、働き者でユーモラスな父アーヴィング(ジェレミー・ストロング)、私立学校に通う優秀な兄テッド(ライアン・セル)と不自由なく過ごしているが、近頃は家族への苛立ちと居心地の悪さを感じている。そんなポールにとって、祖父アーロン(アンソニー・ホプキンス)はただ一人の心を許せる良き理解者だった。
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想像力が豊かで芸術に興味を持つポールにとって、規律を重んじる学校生活は窮屈そのもの。そのため集団生活に馴染めずにいたが、クラス一の問題児である黒人生徒ジョニー(ジェイリン・ウェッブ)は唯一の打ち解けられる友人だ。しかしある日、ポールとジョニーがやらかした些細な悪さが、2人の行く末を大きく分けることになる──。
ジェームズ・グレイの自伝的物語である本作は、クイーンズ区フラッシングを舞台に展開。「ジャングルの映画も宇宙の映画も撮ったことがあるし、そういう経験が好きです。しかしある時点で、無限はある意味、自分の中にあると気づくんです。そして、自分の経験を直接、正直に表現することができれば、それが一番いい。そのために、もう一度自分自身の過去に立ち返ろうと思ったのです。そして、できる限り自分らしいものを作ろうと」とグレイは語っている。
理不尽な世の中で、変わりゆく人々とそれでも変わらぬ愛を見つめたエモーショナルな物語に期待したい。