
ようやく柴3兄妹の秘密が明らかになったTVアニメ『東京リベンジャーズ』“聖夜決戦編”第4話。サブタイトルの「Family bonds」が掲げる通り、今回は家族の絆と生まれた環境へのしがらみについて考えさせられる回となっている。
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また今回は、東卍主要メンバーの1人である三ツ谷隆がついに登場。三ツ谷もまた、事情は違えど八戒と同じく、家族の枷を抱えた青年である。三ツ谷といえば、メンバーの特攻服を仕立てるなど手先が器用な一面が印象的なキャラクターだが、幼い2人の妹の面倒を見る姿が過去の回想シーンで描かれていた。
不良っぽさを前面に押し出した人物の多い東卍の中で、親しみやすい柔和な雰囲気を醸し出す三ツ谷だが、内面は静かに燃える闘志を抱くアツい男だ。三ツ谷の穏やかで優しい雰囲気に、松岡禎丞の儚く透明感のある声もぴったりとマッチしている。
「生まれた環境を憎むな。八戒」
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夕焼け空を背景に、三ツ谷は八戒に微笑む。
遊びたい盛りに、家族の面倒を見なければならない環境に生まれた三ツ谷。そんな三ツ谷の放つ言葉だからこそ、八戒にとって忘れられない一言になったのだろう。「力はさ、守るために使えよ」という三ツ谷の言葉には、彼が歩んできた人生が滲んでいるからこそ説得力がある。実写化される際には、三ツ谷役を演じている眞栄田郷敦の芝居を堪能できる名シーンとなるだろう。
さらに、この台詞は原作ファンからすると、三ツ谷自身が“ある人”に憧れを抱いていたからこそ生まれた言葉だともわかる。憧れの存在を追いかけ続けるうちに、自分自身が誰かの憧れになる。そんな師弟関係とも友情とも捉えられるロマン溢れる関係性が垣間見えるのも、『東京リベンジャーズ』の面白さだ。
大寿と三ツ谷の和平協定は無事に成立するものの、一時の平和を稀咲鉄太が掻き回す。タケミチにとってヒナを救うためのキーパーソンである稀咲だが、“敵か味方かわからない”不安感は観ているこちらにも伝わってくる。
未来で巻き起こる出来事の裏で暗躍する稀咲の狂気的な表情は、過去シリーズのアニメ版でも絶大なインパクトを残しているが、実写化『東京リベンジャーズ』で稀咲を演じた間宮祥太朗の名演技も話題を呼んでいる。間宮演じる稀咲の容赦のない冷酷非道な暴力性は、大寿の持つ危険性とはまた異なる方向性を持つ。“聖夜決戦編”が実写化されるとしたら、大寿と稀咲という東リベ史上最凶の2人が揃う実写化シーンを拝める日も来るのかもしれない。
大寿が1人になるクリスマスを狙い、いよいよ決行されることとなった隠密決戦。ようやく“聖夜決戦編”のタイトルが回収され、タケミチが倒すべき巨悪の真の姿もだんだんとはっきりとしてきた。