星野源のイベント「Gen Hoshino presents “Reassembly”」の最終公演が、彼の誕生日である1月28日に神奈川・横浜アリーナで開催された。
これはオフィシャルイヤーブック「YELLOW MAGAZINE 2021-2022」購入者限定のWebサービス・YELLOW PASSの会員向けイベント。2020年に開催予定だったYELLOW PASS会員限定イベント「Assembly」が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になったため、有観客での開催は約3年の時を経て実現した。1月11日と12日に大阪・大阪城ホール、27日と28日に横浜アリーナにて行われたこのイベント。ライブパートとトークパートに分かれており、ライブパートでは長岡亮介(G, Cho / ペトロールズ)、櫻田泰啓(Key, Cho)、武嶋聡(Sax, Flute, Clarinet)、三浦淳悟(B, Cho / ペトロールズ)、玉田豊夢(Dr)がバンド演奏を務めた。

「ファンとの距離を近くしたい」という星野の思いから、横浜アリーナに設置されたのは、観客がぐるりと周りを囲むセンターステージ。オープニング映像が終わると、星野が手を振りながら客席の通路を歩いて登場した。センターステージの中心を向いてスタンバイするバンドメンバーに合流した星野は「化物」でライブをスタートさせ、「こんばんはー!」と元気に挨拶。観客はクラップを繰り返しながら体を揺らし、生で聴く星野の楽曲を全身で楽しんだ。次のブロックではスローナンバーが連続。星野はコロナ禍で作曲方法が変化し、音楽がさらに楽しくなったと語り、キーボードを弾きながら制作したという「不思議」を丁寧に歌い上げた。

大きな拍手とともに湧き上がる、ひさびさの観客の歓声に、初めは笑顔で応えていた星野だったが、「ちょっと待って、泣きそうなんだけど!」と感極まる。その姿を見てさらに歓声を大きくする観客へ、星野は涙を拭いながら「本当にお待たせしました。マスクして感染対策はしたまま、普通に歌って、イエーイとか言って、みんなで一緒に踊りましょう。動きたくねえなって人は、心の“うち”で踊ってください!」と語りかけ、「うちで踊ろう(大晦日)」につないだ。2020年4月、コロナ禍突入直後の外出自粛期間に星野がインスタグラムで公開した弾き語り動画から生まれたこの曲。明るく軽快なメロディとは相反するように、アリーナには感動的なムードが充満した。続く「Continues」の「ラララ」、「SUN」の「Ah Ah」のフレーズでは観客も星野と一緒に歌い、会場がひとつになった。

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ファンからのリクエスト曲と、テレビアニメ「SPY×FAMILY」のエンディング主題歌「喜劇」を歌い終えた星野が、次で最後の楽曲であることを告げると、観客が「えー!」と残念がる。「熟年夫婦のようなやりとり(笑)」と喜んだ彼は、ざわめき続ける客席に向け「うるせえ!(笑)」と言い放ち、「今日はうるせえって言える記念日ですよ、ホントに」と、さらにうれしそうな様子を見せた。そして星野は「Hello Song」で会場中のファンと“挨拶”を交わし、一旦ステージをあとにした。
上白石萌音、宮野真守、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)、友近扮する水谷千重子からのコメントVTRを挟み、イベントはトークコーナーへ移行。このコーナーでは映像ディレクターの山岸聖太が司会、放送作家の寺坂直毅が司会アシスタントを務めた。星野は再登場するやいなや、山岸から「泣いてました? 泣けてくるからやめて!」とクレームを入れられ、バツの悪そうな表情に。そんなゆるい雰囲気のまま、ファンから事前に寄せられた質問に次々と回答した。この日、42歳の誕生日を迎えた星野。「誕生日の思い出のごちそうは?」という質問に、彼はごちそうとは少しずれるが、子供の頃にマクドナルドの誕生日プレートに憧れを抱いていたという思い出話を披露した。そして「今日のことは一生忘れない。いい誕生日をありがとうございます!」とファンに感謝の言葉を伝えた。
