《映画のスラムダンクでドカベン31巻を思い出した。検索したら、同じこと考えてる人が他にもいて嬉しい》
《映画スラムダンク=ドカベン31巻に感涙》
《スラムダンクの映画観た人の中でドカベンってマンガを知ってる人は全員読むべき》
広告の後にも続きます
といったコメントが飛び交っている。
「『ドカベン』シリーズの中でも31巻は、水島作品のファンから『至高』と呼ばれています。ここで描かれている試合は、春のセンバツ決勝戦。ライバル・土佐丸高校に追いつめられる中で、山田・里中・岩鬼・殿馬の『明訓四天王』の過去が回想され、激闘にさらなる感情移入をもたらします。この手法は、後世のスポーツ漫画だけではなく、あらゆるジャンルの漫画に多大な影響を与えたともいわれています」(サブカルライター)
そして、井上氏が漫画家を志すきっかけとなった作品こそが、まさにこの『ドカベン』だった。
「原作『SLAM DUNK』の主人公である桜木花道の名前も、岩鬼の名フレーズ『花は桜木、男は岩鬼』から来ているといわれています。『ドカベン ドリームトーナメント編』第3巻に収録されている水島氏との対談では、井上氏も31巻について『いちばん盛り上がった巻』と称え、その後の単行本を買うのをやめてしまったほど衝撃を受けたようです。
『SLAM DUNK』も、単行本31巻で最高潮のまま完結していますが、これについても井上氏は『何か体内時計がそうなったみたいで』と明かし、『ドカベン』への思いが根底にあったことを認めています」(前出・サブカルライター)
『ドカベン』31巻で描かれたエピソードは、岩鬼と育ての親の別れ、山田の身に起きた少年時代の大事故、投手はあきらめろといわれた里中の中学時代、殿馬が出られなかった音楽コンクールと、『ドカベン』シリーズの中ではかなり暗いが、それが殿馬の秘打「別れ」によるサヨナラホームランを、いっそうドラマチックに仕立てあげたものだった。
「主人公の山田ではなく、殿馬による決着。『THE FIRST SLAM DUNK』では、本来の主人公である桜木が脇役として、逆転シュートを決めます。素晴らしいチームメイトがいることを浮き上がらせている、というのも共通点です」(前出・サブカルライター)
今回の映画は、井上氏が亡き水島氏に捧げた“コラボ作品”だったともいえそうだ。