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小野花梨、天性のリズム感の良さが武器に 『罠の戦争』の蛍原がとにかくカッコいい

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『罠の戦争』©︎カンテレ

 ドラマの登場人物に、憧れを抱いた経験はないだろうか。筆者はこれまで、『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)のサエコさん(石原さとみ)のテクニックを聞き、“こんな上手に恋愛ができたらなぁ”なんて思ったり、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の百合ちゃん(石田ゆり子)を見て、“こんなふうに歳を重ねたい”と思ってきた。

参考:『カムカムエヴリバディ』で広がる小野花梨の可能性 きぬちゃん役でさらなる飛躍へ

 そして、今いちばん憧れているのが、『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)で、小野花梨が演じている私設秘書の蛍原だ。彼女は、とにかく毎シーンカッコいい。上司の虻川(田口浩正)からパワハラを受けてきたため、涙を流したり、蛯沢(杉野遥亮)に弱みをさらけ出したりする場面もあるのだが、すべてがカッコよく見える。それは、やはり演じている小野の力量なのだろうか。

 2006年、『嫌われ松子の一生』(TBS系)で女優デビューしてから17年。着々と経験値を積んできた小野は、天性のリズム感の良さを武器に、ドラマや映画で引っ張りだこの存在となりつつある。

 筆者が、いちばん最初に小野の凄みを感じたのは、2020年放送のドラマ『親バカ青春白書』(日本テレビ系)に出演していた時のこと。ムロツヨシが、“娘が大好きすぎて、娘と同じ大学に入学しちゃうお父さん”を演じた同作で、小野はコメディの才能を開花させていたのだ。

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 台詞を言う時のテンポの良さはもちろんのこと、醸し出す雰囲気までパッと変えてしまうのがすごい。『親バカ青春白書』では、最初はサバサバとした雰囲気を纏っていたのだが、酔った勢いでガタロー(ムロツヨシ)とキスをした瞬間、妙な色気を放つように。本来、親子ほど年の離れた相手(しかも、友達の父親)との恋愛は、なかなかリアルに捉えられにくい部分もあるだろう。しかし、娘のさくら(永野芽郁)が“本気なのかも”と不安になってしまうほど、“恋している女の子”のオーラを振り撒いていたのだ。

 そのほかにも、“こんな演技もできるのか”と驚かされたのが、『恋なんて、本気でやってどうするの?』(カンテレ・フジテレビ系)で演じていたひな子。ひな子は、猫なで声で柊磨(松村北斗)にすり寄り、周囲の女子にマウントを取っていくような、いわゆる“女に嫌われる女”だった。小野といえば、『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)で演じたきぬなど、“女の味方”となる役柄が多かったため、驚いた人も多かったことだろう。ひな子のような、典型的なヒロインの恋敵を演じたことは、役者としての幅を広げるきっかけになったはずだ。

 そして、『罠の戦争』の蛍原。

「怒り方、間違えちゃだめ」
「ネギですら、分類の仕方で変わるんでしょ? 人間なんてもっとでしょ」

 彼女が放つ言葉は、どうしてこんなにもスーッと胸に染み渡るのだろう。小野が、蛍原の人生を背負って放っている言葉だからだろうか。パワハラを受けて、眠れない夜を過ごしてきたこと。どれだけ悔しくても、裏切られても、自分を信じて立ち上がってきたこと。たとえ、彼女がうれしそうに笑っていても、私たちはそんなバックグラウンドを感じてしまうのだ。

 『罠の戦争』の最終回では、蛍原の心からの笑顔が見たい。鷲津(草彅剛)とともに、権力者たちの闇を暴いてほしい。そんな希望を抱きながら、これからも本作を追い続けたいと思う。(菜本かな)

 
   

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