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『舞いあがれ!』久留美と八神の婚約で溢れる幸せムード 赤楚衛二の焦りは恋心の萌芽?

Real Sound

『舞いあがれ!』写真提供=NHK

 IWAKURAの先代社長・浩太(高橋克典)が小さなネジから描いていた大きな夢がようやく動き出した。

参考:『舞いあがれ!』第83話、舞(福原遥)たちが作った試作品の強度試験が始まる

 プロジェクトリーダーとして従業員たちを率いて、菱崎重工の荒金(鶴見辰吾)から依頼された航空機用ボルトの試作品を見事完成させた舞(福原遥)。残すは実際に飛行機の部品として使えるかどうかの品質試験を待つのみとなった。その間、舞の幼なじみである貴司(赤楚衛二)、久留美(山下美月)も人生の大きな転機を迎える。

 まずは前回、自身の短歌が長山短歌賞を受賞したことが決定した貴司。『舞いあがれ!』(NHK総合)第82話では、それを祝う会がうめづで開かれ、お茶の間がお祝いムードに包まれた。

 貴司を祝う会には舞やめぐみ(永作博美)はもちろん、偶然にもうめづのお好み焼きを食べにきていた悠人(横山裕)も参加することに。そこで本人と同じくらい、いや本人以上に受賞の喜びを噛み締めていたのが、貴司の両親である勝(山口智充)と雪乃(くわばたりえ)だ。特に「なんちゅうたって、“短歌界の芥川賞”やからね」と鼻高々な雪乃に貴司は驚く。実は雪乃も勝も、短歌についての情報を雑誌などで日頃から集めていた。そこには貴司を理解したい、愛する息子が興味を持っている世界を知りたいという二人の親心がある。

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 サラリーマンとしての生活が肌に合わず、ふさぎ込んでいた時期もあるから尚のこと、貴司が本当に好きなことで認められたことが嬉しいのだろう。そんな両親を見て、貴司もまた好き勝手にやってきた自分を見守ってくれていたことに感謝の気持ちを抱く。「おめでとう」と「ありがとう」を素直に言い合える梅津親子の関係性が微笑ましい。

 しかし、その光景は悠人にとって、少々辛いものがあるのではないだろうか。悠人は父である浩太と仕事に対する意見の食い違いからぶつかり合い、ついには喧嘩別れとなってしまった。自分のやりたいことを認めてもらえなかった寂しさ、浩太に対して尊敬の念を示すことができなかった罪悪感。浩太が亡くなってからも飄々と振る舞ってはいるが、悠人の中で様々な感情が入り混じっていることは何気ない表情からも見て取れる。めぐみもどうやら悠人の異変に気付いているようだが、いまいち踏み込めない。どこかに悠人が気持ちを吐き出せる場所があればいいのだが……。

 また、そんな中、久留美が八神(中川大輔)とともに婚約の報告にうめづへやってくる。二人は幸せムードいっぱいで、みんながいる前でストレートな愛の言葉を久留美に投げかける八神。そんな屈託のない好青年ではあるが、思い込みが激しい部分もあるようで舞と貴司がカップルであると勘違いしてダブルデートを申し込む場面も。そこで「貴司くんとはただの幼なじみなんです」と答える舞に八神が医者仲間を紹介しようとすると、一瞬気まずい雰囲気が流れる。驚くべきはそれに乗っかる雪乃を貴司が制止したことだ。明らかに貴司の舞に対する気持ちに変化が表れているように思える。

<君が行く 新たな道を照らすよう 千億の星に 頼んでおいた>

 貴司が舞に送った短歌は、夏目漱石の「月が綺麗ですね」みたいなもので、八神とはまた違ったストレートではない愛の言葉なのではないだろうか。だが、実際のところ、そこに恋愛感情があるのかないのかは未だ判然としない。舞が大事な時期だから必死で気持ちを隠しているのか。あるいは、もしかしたら本人ですら自覚していない小さな芽生えを赤楚はもどかしくも丁寧に表現するのか。どうかこのまま、誰にも急かされることなく自分たちのペースで関係性を深めていってほしい。(苫とり子)

 
   

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