●注目の上位対決
ラ・リーガ第19節、レアル・マドリード対レアル・ソシエダが現地時間29日に行われ、スコアレスドローに終わっている。サッカー日本代表MFの久保建英はフル出場。トップ下でスタートし、後半途中より右サイドに移った。古巣相手に、成長した姿を見せることはできたのだろうか。(文:小澤祐作)
技術的にも戦術的にもかなりハイレベルな90分だった。
2位レアル・マドリードの本拠地に乗り込んだ3位レアル・ソシエダは、いつも通り4-3-1-2を採用。ダビド・シルバやミケル・メリーノ不在の中盤はマルティン・スビメンディ、アシエル・イジャラメンディ、ブライス・メンデス、久保建英の4人で形成された。
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ソシエダの入りは悪くなかった。4-3-3を採用したマドリーは高い位置からプレッシャーをかけてきたが、システムの噛み合わせ的に浮きやすいアンカーのスビメンディをうまく使いながら着実にボールを前進させていた。
そうした中で決定機も作っている。6分にはアイエン・ムニョスの鋭いクロスでマドリー守備陣を脅かし、17分にはこぼれ球を拾ったイジャラメンディが左足で際どいシュートを放った。
ただ、昨季のチャンピオンズリーグ(CL)を制したマドリーがこのまま黙っているわけない。試合中にみせる変幻自在な対応は、見事だった。
●マドリーの脅威とソシエダの粘り
マドリーは、前半途中よりボールの反対サイドにいるインサイドハーフをスビメンディに当ててきた。そしてボールサイドのインサイドハーフは、ソシエダのインサイドハーフを消しながらサイドバックまで縦スライド。そこにナチョ・フェルナンデス、エドゥアルド・カマヴィンガの両SBも連動することで、ソシエダのビルドアップを封じてきたのである。
効果的な働きをみせていたスビメンディを抑えられたアウェイチームは、そこから良い形でボールを前に運べなくなった。必然的にマドリーのポゼッション時間が増え、ギリギリの対応を強いられている。事実、試合開始〜20分まで2本だった被シュート数が、21分〜前半終了までで8本に増えていたというデータも出ている(データサイト『Who Scored』を参照)。