
レバナスは、肯定・否定が分かれる金融商品ではありますが、じつは大きな可能性を秘めているといいます──本連載では、チャンネル登録者数6万人の投資系YouTubeを運営する著者が、単なる思い込みや偏見、感情論からはきっぱりと一線を画し、「なぜレバレッジNASDAQ100を使った資産形成には、他の投資対象より優位性があるか?」 を理路整然と、詳細なデータやシミュレーションを交えながら解説します。
最強ポートフォリオにリバランスは必要?
複数の投資対象に分散投資してポートフォリオを作った場合、運用成績に差が出るため、運用を続けていると当初の比率から実際の組み入れ比率がカイ離していきます。
その際、当初の比率に資産配分を戻すことを「ポートフォリオのリバランス」と呼びます。
例えば、株式50・債券50で運用していた時、株式の上昇率が債券の上昇率を上回って株式60・債券40になったら、利益が乗った株式を売って債券を買い増すことで運用比率を再び50・50に戻す。これがリバランスです。
結論から言うと、最強ポートフォリオにリバランスは必要ないと考えています。なぜなら、リバランスにはメリットとデメリットがあるからです。
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リバランスのメリットは、リスクの均衡を保てること。つまりタテ(盾)としての役割を弱めないことです。一方、運用成績がプラスの時に行うリバランスのデメリットは、調子がいい一方の資産を利益確定することで、税金を支払わないといけないこと。税金の支払いを繰り延べして、運用益で評価額が大きくなった投資信託を売却することなく保有し続けることで、複利運用の効果を最大限享受できます。
リバランスのために、儲かった資産の一部を利益確定してしまうと、税金の繰り延べ効果が逓減し、複利効果が落ちます。
確かに、上昇相場では、レバナスの爆発的な上昇が続くので、何年か経つと債券の比率が大幅に下がってしまう可能性が高いです。それでは守りの機能がどんどん低下しないのかと言われれば、その通りです。
ただ、ここは考え方次第です。私、風丸としては、あくまで資産形成のフェーズでの運用方法なので、資産が増えていくことにわざわざブレーキをかける必要はないかな、と感じています。そこまで守りにこだわるのであれば、そもそもレバレッジは不向きかもしれませんし……。
しかし、攻守ともにレバレッジを効かせることに意味があると考えて、定期的にリバランスすることも、もちろん否定はしません。最終的には好みの問題になるのではないでしょうか。
リーマンショック前後の最強ポートフォリオの成績
最強ポートフォリオというだけあって、攻めに強いだけでなく、守りにも強くないといけません。そこで、最強ポートフォリオを運用中に、2008年のリーマンショックレベルの株価暴落が起こった時のシミュレーションをご紹介します。