何百万匹いるなかでも、ひとりだけのあなたがいい。そんなことが伝わればと思いキャラクターの個性を薄くしました。
ーー「毛皮と、血と、肉より深い所にいる、”あなた”を愛しています。」という台詞はふたりの関係を象徴するものだと感じました。
類家海:私は大好きな人と一緒にいることは大変なことだと思っていて、本作のきつねさんとうさぎさんもずっと一緒にいるのは大変で、苦しいことだと思います。
それでもきつねさんとうさぎさんが離れたくないと思うのはなぜかと考えたとき、お互いにその人の本質が好きなのかもしれないと思いました。あなたの本質的な部分が好きだということを表現することを考え、終盤のうさぎさんの台詞が思い浮かびました。
ーー漫画を描こうと思ったきっかけを教えてください。
広告の後にも続きます
類家海:小さいころから絵や漫画を描くのが大好きで、小学生のころから続けてきたのは絵を描くことだけでした。ただ漫画家を目指している人は多く、漫画家になるためには両親に迷惑をかけてしまうと思っていました。
ただ大学で絵やデザインを学びつつ作品をつくるなか、自分の気持ちがだれかに伝わったと1番実感することができたのが漫画でした。そんな背景もあり漫画である本作を創作しました。
ーー本作をはじめ、自分の内面にある思いを漫画として表現するなかで感じることは?
類家海:私は「こんな人がいたらいいのにな」とか「こうなればいいのにな」といった自分の理想や、「こういう風に考えてもいいんじゃない?」といった提案を込めて漫画を描いています。ただ自分の思想を題材とした漫画は他の方が描いた漫画と比べ、読了感が重くなってしまうかと思います。
それでも作品を読んだあとに自分の考えていたことについて深く考えてくださる方がいらっしゃって、読者の方が自分の思いを受け取ってくれることがすごくうれしいです。
ーー今後の目標を教えてください。
類家海:今回の投稿に関する反響は自分に自信を与えてくれるものであり、改めて漫画家を目指したいと思えた機会でもありました。作品の感想として「ありがとうございます」という声を頂いたのですが、私からも「ありがとうございます」とお伝えしたいです。
現在は少し漫画を描く仕事をしているのですが、将来は漫画を描くことを本業にして生きていきたいと思っています。