
とあるうさぎときつねの関係を描いた漫画『けがわとなかみ。』が2022年12月にTwitterで投稿されると、12万以上のいいね数を記録したりなど、大きな話題を呼んでいる。
多くの共感を集めた本作の作者・類家海(@hebitozou0821)の抱く心情を題材に描いた作品なのだという。本作を創作したきっかけ、この作品に込めた思いなど、話を聞いた。(あんどうまこと)
ーー本作はTwitterで大きな反響を呼んでいます。今回の反響について感想を教えてください。
類家海:本作は大学の授業でつくった作品であり、自分の思想や理想をかたちにした作品でした。そのため共感してもらえなくてもいいやと思っていたのですが、想像以上に反響がありとても驚きました。
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多くのコメントも頂いたのですが、そのなかでも“(作品に)救われた”と言ってくださった方の感想が印象に残っています。本作は私の気持ちをかたちにして、私を救うための作品でした。そんな作品に“救われた”と言ってくださったことに私自身が救われました。
ーー本作を構想するなかで意識したことは?
類家海:「私はこういうものが好き」とか「私はこう思っている」など、私は自分の意見を言うことが苦手です。「こうなればもっと生きやすくなるのにな」とか、「自分はこう思っているけれどみんなはどう思っているのか」といったことを、勇気を出して、自分の得意な技法で伝えてみようと思い本作を創作しました。
また小さい子やお年を召した方にも楽しんでもらえる作品にしたいと思い、漫画と絵本の中間のような作品にしようと考えていました。そのためキャラクターの造形はデフォルメ調にしたり、お話は4コマ漫画をベースに描きました。
ーー友人や恋人といった言葉で一概にカテゴライズすることのむずかしい、うさぎさんときつねさんの関係に魅力を感じました。ふたりを描くなかで意識したことは?
類家海:キャラクターの名前を「きつね」や「うさぎ」にしたりなど、登場人物に個性をあまり与えないようにすることを意識していました。何百万匹いるなかの1匹の狐、兎として見てもらいたいなと思ったからです。