
丸山礼主演の夜ドラ『ワタシってサバサバしてるから』(NHK総合)が1月から放送中だ。原作・とらふぐ、作画・江口心による人気同名コミックをもとに、丸山演じる“自称サバサバ女”網浜奈美が、持ち前のハートの強さと歯に衣着せぬ言動でさまざまなトラブルを引き起こす様子をコミカルに描いた本作。人をちょっとイラッとさせることもある主人公の物語を敢えて、届ける理由とは。制作統括の中山ケイ子(FCC)氏に話を聞いた。
参考:『ワタサバ』丸山礼&『デブラブ』かなで “漫画原作×芸人主演ドラマ”が革命を起こす
●誰からも愛される丸山礼の人柄が画に出ている
――ドラマが放送される度に「『ワタサバ』面白い!」という感想がSNSに溢れていますが、反響を受けていかがですか?
中山ケイ子(以下、中山):ホッとしました。というのも、本作の主人公である網浜(丸山礼)は魅力もたくさんあるんですが、視聴者の方に不快な思いをさせてしまう可能性もあるキャラクターなので、制作側としては「今日は皆さんに怒られていないか、ちゃんと楽しんでいただけているだろうか」といつもドキドキしながらオンエアを迎えているんです(笑)。
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――この企画が持ち上がる前から、原作漫画についてはご存知だったのでしょうか?
中山:もちろん、存じておりました。原作があれだけ有名だからこそ、ドラマの方も反響をいただいているんだと思います。そんな誰もが知る漫画を実写化させていただくことになり、私も腕まくりするような気持ちで挑戦させていただきました。
――NHKの夜ドラといえば、現代社会を切り取ったような、15分という時間の中で観る人にじっくりと考えさせる物語を届けてきた印象があります。その枠でコメディに挑戦した理由は?
中山:夜ドラはご存知の通り、月曜日から木曜日の22時45分から23時に放送されています。裏では多くの局がバラエティ番組を放送している時間帯ですよね。その中で、テレビを観ている方にどうやったらドラマの方を向いてもらえるかを考えた結果、バラエティタッチのドラマだったら戦えるのではないかと思い、NHKさんにご提案させていただきました。
――短い時間の中で凝縮した笑いを届けるこのドラマはおっしゃったようにバラエティや、若い人が観るYouTube、TilTokなどのコンテンツにも近しいものを感じます。
中山:それは強く意識していて、後半戦では特にそういう要素がより濃くなります。それこそ動画配信をしている設定だったり、ネット社会の中で起こる事件だったり、今の時代っぽさも意識して取り入れました。ひいては、我々作り手が本作に込めたメッセージを若い人たちに受け取ってほしいという思いがあります。そういった意味でも若者を中心に絶大な支持を受けている丸山さんの存在は必要不可欠でした。