「みんなでシェアハウスで過ごした時間は二度と戻らないけど、俺との時間はいくらでもあるんじゃない。そこは寂しくならなくて良いんじゃない?100保証する。2年保証付き」。りりあの不安を払拭しつつ、きちんと最後に笑いも盛り込むことも忘れない。それにはりりあも「更新あり?」と返し、息の合ったいつも通りの2人のやり取り、テンポが戻る。
最後の舞台であるマンハッタンのビルの屋上で、まずはりりあがれいやの好きなところを手紙で伝える。「これからも一緒にいさせて下さい」と差し出されたたりりあの手を取ることなく「まずは上がってもらって」と制したれいや。
「好きです、僕も。小島さんは隣にいてくれるだけで幸せになれる存在で、これからも隣にいて下さい」と言った後、今度は自分から手を差し出した。
ともに主演を獲り、キスシーンを演じたものの「小島と柾木で(キス)はしてないなって」と言った後、これまでのドラマシーンにはなかった初々しく可愛らしいキスをしたれいや。運命的に導かれた2人が最後の最後まで自分たちの力でそれを手繰り寄せていく様には、ドラマ以上に夢中にさせられるものがあった。
一方、しょうだい×みゆペアは、映画館デートに。街中を歩いているとさりげなくみゆの手を取り繋いだしょうだい。これにはみゆもかなり面食らったようで「外で手繋いで歩いたことない」とドキドキしているのが伝わってきた。
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これまでお互いに意識はしつつも、友人としてのリスペクトが強いしょうだいとみゆであったが、最後のデートでは予想に反して明るくしっかりと今後について話し合う2人の姿が観られる。「自分の名前を使って最初から最後までお芝居する中でみゆに特別な感情が生まれちゃったから、日本に帰っても好きって気持ちは変わらないと思う」。このしょうだいからの一言で十分だったのだろう。思わず、由水(南)先生からのしょうだい宛の手紙にも書かれていた「演技とは別人にならなくても良いもので自分を通して演じたら良いということに気づけましたね」というようなメッセージがリンクした。
「ただ、好きだからってすぐに付き合える職業でもないじゃない?」と言うしょうだいに肯いて見せたみゆだったが、最後の舞台である屋上で2人は“始まりのキス”を交わした。互いの心境が変化したタイミングを確認し合う中で、みゆはドラマ第4話の撮影中、しょうだいのアドリブにドキドキさせられた気持ちがカットがかかった後も消えなかったと明かした。
みゆが長年の俳優キャリアの中で自然と身につけた“カット”という声と共に現実に即座に戻ってしまうその習性を、今回2人は超えたのだ。「心と心で繋がることができたキスシーン」「芝居で繋がった2人」と自称する彼らの根底に流れる共通の価値観や大切にしたいものが夕暮れにキラキラ照らされ美しかった。
既視感のない、またとないきらめきをたっぷり見せてくれた『ドラ恋 in NY』。2組のカップルの“その後”を祝福するとともに、改めて感謝したい。
(文=佳香(かこ))