
自分のロッカーから見慣れない機械があふれ出てきたーー。そんな摩訶不思議なシチュエーションからはじまる漫画『森崎さんのロッカーから出たヤツ』が2023年1月にTwitterで公開された。
作者の匙田洋平さん(@spoonmanga1)によると、森崎さんのロッカーにイタズラをした人物には明確な思いや背景が存在しているのだという。本作を創作したきっかけ、作品をつくるなかで意識していたことなど、話を聞いた。(あんどうまこと)
ーーすべてを知り得ないふたりの距離感に魅力を感じた作品でした。創作のきっかけを教えてください。
匙田洋平(以下、匙田):これまで長編作品を描き続けていたのですが、区切りのいいところを迎えたので製作を休止し、短編作品を描いてみようと思い短編作品を描くようになりました。本作はつげ義春の『石を売る』を下敷きにしながら、読んでいて楽しい作品を意識してストーリーを組み立てました。
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ーー少し不思議なしーちゃんのキャラクターが印象に残っています。
匙田:森崎さんと違う性格、違う姿の女の子としてしーちゃんをつくりました。ドタバタな展開の漫画にしたいと思って、森崎さんが戸惑うような怪しい言動をする、森崎さんと対照的な存在としてしーちゃんを描くことを意識していましたね。
ーー森崎さんとしーちゃんの関係を描くうえで意識していたことは?
匙田:仲の良すぎる関係は描きたくないと思っていました。自分自身があっさりとしているからかもしれませんが、どこかベタベタとした関係には噓くさいところがあるように思います。
相手の深いところには立ち入らないという関係の方が現実では多いのではないかと思いながらふたりの関係を描きました。
ーーしーちゃんが森崎さんと“お店をしたかった”思いについて教えてください。