
※本記事は本誌最新話の内容に触れる部分があります。
参考:【ONE PIECE考察】ついにルフィとシャンクスとの再会も? ワンピース研究家が2023年の動きを占う
ワノ国編終了後に初登場を果たし、エッグヘッドに上陸してから常に物語の中心であるDr.ベガパンク。彼の研究の中で、随一の偉業と言えるのが「血統因子の発見」だ。
海軍の強力な矛となったセラフィムの根底にも血統因子があり、使うことで可能な発明は世界の常識を軽く塗り替える。
そこで本稿では血統因子の概要や今後の可能性について、ワンピース研究家の神木健児氏に話を聞いた。
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「まず前提として、『ONE PIECE』の世界の『血統因子』とは、現実世界の『DNA』のようなものだと思われます。ただベガパンクは血統因子に体験も記憶されると仮説を立てていて、それがDNAと大きく異なります。作中には血統因子を軸にした発明がいくつも登場します。『生命の設計図』と言われるだけあり、ジェルマ66のクローン兵なんかも血統因子を元にした発明です。そんな中で、ベガパンクの偉業で読者の誰もが驚いたのが『悪魔の実の研究』でしょう。ベガパンクが言うには、『ゾオン系はお金と時間さえあれば複製可能』『パラミシア系は『グリーンブラッド』と呼ばれる血液から能力を伝達できる』『ロギア系は難しい』とのこと。ベガパンクはグリーンブラッドを使用したセラフィムを、最強の人類であり科学の最高峰だと語っていました。血統因子は、まさに神の所業と言える発明品を生みだせる要素で、『ONE PIECE』の世界を揺るがす大発見と言えます」
現時点で明かされている発明だけでも、血統因子の存在は世界に大きな影響を及ぼす。
「例えば悪魔の実の複製が可能なので、ホビホビの実なんかをたくさん造られれば、世界が終わりますよね。またベガパンクは世界政府の指示で、研究を続けていました。単純に武力を求めていると思わせて、世界政府にはまだまだ裏の狙いがありそうです。例えばオペオペの実は以前50億ベリーで取引されそうになった悪魔の実ですが、世界政府はローや前任者の血統因子を採取すれば、グリーンブラッドを活用し複数人に能力を付与できるのかもしれません。そうなると天竜人や複数の上の人間に不老手術を施すことも可能になってきます。もしかしたら世界政府の上層部では秘密裏にそういった計画が進んでいて、最終局面でルフィたちは人智を超えた敵と戦うことになるのかもしれませんね」
新人類の製造や、悪魔の実の複製が可能な血統因子。この大発見の可能性はまだまだ無限大だ。
「天竜人の依頼で、ベガパンクはおそらく血統因子を使ってドラゴンまで造っています。そう考えると架空の生物だけでなく太古の生物、例えば恐竜なんかも製造可能でしょう。また今の段階では、七武海をモデルにしたセラフィムしか登場していません。血統因子さえあれば、七武海以外のセラフィムも造れると思うんです。血液や髪の毛などが必要ならば、世界政府は捕まえた大物海賊の血統因子を採取していますよね。そう考えるとロジャーやエースなんかが、世界政府側のセラフィムとして登場する可能性もわずかながらあるのではないでしょうか。カイドウも血統因子を採られていると判明しているので、四皇レベルのセラフィムも製造されているかもしれません。現時点で描かれているジンベエのセラフィムの能力が、スイスイの実の能力なのも気になる点です。今のところセラフィムは何体もいないようですし、インペルダウンにはもっと強い能力の能力者がたくさんいるはずです。もしかしたらパラミシアの中でもさらに分類があり、再現しやすい能力やしにくい能力があるのかもしれません。再現しにくい能力があるなら、それも再現できるようになれば、セラフィムはより強力になります。それ以外にも、血統因子は体験も記憶できるのがすごく重要だと思います。世界政府がロビンの血統因子を採取できれば、造られた彼女のセラフィムは古代文字を読めるかもしれません。世界政府はその辺りまで、目標として考えている可能性も十分あるでしょう」
血統因子は世界を救う可能性もあれば、世界を破滅へと導く可能性もある大発見だ。敵か味方かも定かではないDr.ベガパンク。やはり彼が、今後の物語の鍵を握る存在になるだろう。