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人型ロボット「アトラス」が現場職人見習いに!足場を歩いたり重いものを持ち運べるように

カラパイア


 さっそくパルクールの特訓の成果が出てる?ボストンダイナミクスのヒューマノイドロボット「アトラス」が建設現場の職人見習いになったようだ。

 「おい新入り。工具入れ持ってこい」「オヤカタ、ガッテンショウチ。アラヨット!」ってな調子で足場を動き、親方に重い道具を運んでくる。

 いずれは独り立ちして、自分で建設現場をしきっちゃったりしちゃうんだろうか?それとも親方となって子分ロボットを従えちゃったりするのだろうか?



Atlas Gets a Grip | Boston Dynamics

工具を入れたバッグを届ける人型ロボットアトラス

 この映像は、アトラスの生みの親、ボストンダイナミクス社が今年1月19日公開したものだ。

 足場の上で作業していた親方(男性)が、工具を入れたバッグの置き忘れに気づき、端末らしきものでアトラスに連絡。

 すると下にいたアトラスが周囲をキョロキョロ。さっそくバッグ探しかな?と思ったら…

 なぜか目の前の板をつかむとジャンプで振り向き、木のブロックと足場のあいだに橋渡し。ええ、忘れ物はスルーかよ。

 と、次はあわてて走り出し、肝心のバッグを拾うとブロックの階段をひょいひょい上がって足場のほうへ。そっか、さっきの板は自分のために置いたのか。

 順調に男性が待つ足場の下に着いたアトラス。でも階段はもう無いし、どう届ける?と見ていたら…

 なんと。いきなりひねりジャンプをしながら、親方にバッグを投げつけた!ちょっと雑だけども、頑丈そうなバッグだし、親方に届けばいいのか?あとで怒られなきゃいいけども。

最後はひねり宙返りでポーズ!多種多様な作業をこなす職人見習いアトラス

 無事にバッグを受け取った親方は作業再開。親方がやさしい人でよかったな。これでミッション完了だ!

 仕事を終えたアトラスは、最後に自身が突き落としたブロックに飛び乗って、鮮やかなひねり宙返りを披露し、見下ろす親方にビシッとポーズをきめていた。何アピールなのだろう?

 さていかがだろう?

 実際の建築現場で、親方さえ温和な人なら、いろんな意味でフリーダムが過ぎる職人見習いとして働けるかもしれない。

 頭を使って命令通り動くことが一応はできるアトラス。スローペースはいたしかたないとはいえ、これだけの動作を補助なしでできるのだから、かなり成長したな。

舞台裏ではチームでリハーサル。今は実用化や操作法も検討

 まあでも当然ながら、この映像の舞台裏には、ボストンダイナミクス社の開発チームによる入念なリハーサルがあった。

 一方主役のアトラスは物を持つ練習で転んだり

 板を踏み外して落っこちたり

 スタッフに救出されたりしていたもよう

 アトラスの動き一つひとつを慎重にプログラミングし、みごとなデモンストレーションに仕上げたチームリーダーのスコット・クインダースマ氏は本作の意図をこう語る。
いままでパルクールやダンスも披露してきましたが、私たちはロボットをダイナミックに動かすことばかり考えているわけではありません。

ここまで育ったアトラスの実用化や、環境内の物体を認識する手段や操作法についても考え始めています。
ボストンダイナミクス社が公開。今回の動画の舞台裏

Inside the Lab: Taking Atlas From Sim to Scaffold

今回はアップグレードした手で作業。非対称な動作や難しい宙返りも

 ちなみに今回の動画が従来より、手作業や非対称な動きが増えていることにお気づきだろうか。

 ロボットであるアトラスには「手」で物をつかんだり、配置したり、投げたりするにもプログラムが必須だが、動画のアトラスは1本の可動指と 1本の固定指にアップグレードされた手を使って作業していた。

 それは重い物を持ち上げるため特別に設計されたものだったそうだ。

 またボストンダイナミクス社は「(最後に見せたひねり宙返り)540度 多軸フリップ はこれまでのパルクールよりはるかに難しい」と述べている。

犬型のスポットはもう活躍。人型のアトラスのデビューはまだ先

 ご存じの方も多いはずだが、同社では4足歩行の犬型ロボット「スポット」や「ストレッチ」という名の倉庫用運搬ロボットの販売を始めている。

 汎用性が高いその2種はすでに建設現場の監視や遠隔医療のお手伝い、さらには遺跡守るパトロールなどの形で活躍している。

 一方、直立型のアトラスの活躍の場についてクインダースマ氏は、製造業や建設現場などをあげ「人間が作業をするために設計された空間」向きだと語る。

 とはいえ人間の代わりに手作業や危険な作業をこなすロボットの実現はそう簡単ではない。

 この件については制御部門のリーダーであるベン・スティーブンス氏も時間がかかることを公式に認めたうえでこのように付け加えている。
確かに長い道のりになるでしょう。しかし目下開発中のヒューマノイドロボットはこの分野の方向を垣間見せてくれます。
 「開発中のヒューマノイドロボットこそがロボット工学の未来」というスティーブンス氏。すでに人型ロボットとして有名なアトラスはどんな方向に進むのか。

 二足歩行の練習から見てきただけに親心めいた気持ちもあったり。この先も披露されるであろうスゴ技とともにその行く末を見守っていきたいものだ。

References:futurism / boingboing / popsci / bostondynamicsなど /written by D/ edited by parumo
 
   

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