伝統のまま、古式ゆかしい節回しで披露されていく和歌ーー。1月18日には皇居で新年恒例の「歌会始の儀」が行われた。
学業を優先し、宮殿・松の間にはお見えにならなかった愛子さまだが、「友」というお題で寄せられたお歌が紹介された。
《もみぢ葉の散り敷く道を歩みきて浮かぶ横顔友との家路》
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愛子さまのお歌について、歌人の梅内美華子さんはこう語る。
「愛子さまは、ほとんどオンラインで講義を受けられてきたと伺っています。友達といっしょに歩いた学校の帰り道を思い出したことを詠まれ、コロナ禍でなかなか会えない日々という時代背景を描き出されているのでしょう。落ち葉を踏む感触から記憶へいたる流れがとても自然に表現されています。
『横顔』というお言葉から、並んで歩いた友達との親しさが伝わってきます。また『散り敷く』という表現は正統派の和歌の作風を感じさせますし、紅葉の乾いた匂いやカサカサという音、靴底のフカフカした感触なども読む側が思い浮かべることができます。