
アメリカとメキシコの国境での密輸と聞くとやばい麻薬とか危険な銃が定番だが、今メキシコからアメリカへ密輸が急増中なのはなんと卵なんだそうだ。
変な卵とかじゃなくて、普通にスーパーとかで売られている食用の生卵、鶏卵である。その背景には物価の高騰があった。
日本でも、これまで「物価の優等生」と言われてきた卵だが、飼料価格の上昇や鳥インフルエンザの感染拡大などをうけ、1993年以降最も高くなっている。
メキシコからアメリカへ卵の密輸が急増
現在アメリカでは、物価高騰によりカリフォルニア州では、卵1パック(12個)が最大で8ドル(約1,000円)もする。そこで週に数千個のメキシコ産の卵が、こっそりと国境を越え密輸が試みられている。密輸といってもその背景にギャングが関わっているわけではない。少しでもお金を節約したい一般市民が行っているのだ。
税関国境警備局(CBP)の国境報告書によると、2022 年の最後の 3 か月で卵の押収が 108% 増加したという。
The San Diego Field Office has recently noticed an increase in the number of eggs intercepted at our ports of entry. As a reminder, uncooked eggs are prohibited entry from Mexico into the U.S. Failure to declare agriculture items can result in penalties of up to $10,000. pic.twitter.com/ukMUvyKDmL
— Director of Field Operations Jennifer De La O (@DFOSanDiegoCA) January 18, 2023
発覚した場合罰金は300ドル~1万ドル
税関職員によると、「メキシコからの卵が申告されておらず、検査中に発見されるケースが多くなっている」と語った。もし密輸が発覚した場合、卵は押収され、初犯の個人には300ドル(38,000円)の民事罰が課せられるという。
更に何度も再犯を繰り返した者や、大量に密輸した者は、最大で10,000 ドル(130万円)の罰金が課せられるそうだ。

image credit:Border Report
鶏肉や生卵の持ち込みは2012より禁止
2022年に発生した鳥インフルエンザにより、米国では<a href="https://www.cdc.gov/flu/avianflu/avian-flu-summary.htm” target=”_blank” title=”” rel=”noopener”>5700万羽以上のニワトリが死亡または処分された。そこに飼料の高騰、インフレと相まって卵の価格は2倍以上になっている。
米国政府の統計によると、2022年1月の大型卵1ダース(12個)の平均価格は1.93ドル(250円)だったが、12月には4.25ドル(560円)にまで上昇した。だがメキシコの卵なら12個で1.2ドル(156円)だ。
鶏肉や生卵を米国に持ち込むことは、鳥インフルエンザや鳥が死に至るウイルス性のニューカッスル病を広げる危険性があるため、2012年から禁止されている。
連邦捜査官は、きちんと申告すれば、卵は没収するも罰金刑には問わないが、無申告でばれないように密輸した人には厳しい態度で臨むという。
また、生きたニワトリや七面鳥も、病気が蔓延する恐れがあるため、持ち込みが禁止されている。

image credit:Border Report
数百円、数千円の節約のために、数万円を支払う羽目になるので、卵の密輸はやめておいたほうがよさそうだ。
というかアメリカではコロナ禍中、ヒヨコを飼う人が続出していたが、その後どうなったんだろう?
References:Egg smuggling up 108% at US-Mexico border as prices soar / written by parumo