
再び、世界のトップを狙える国へ。現役市議会議員が、働く場と所得の増加を軸に、6つの政策を提言。30年以上、経済の停滞から抜け出せずにいる日本。かつての輝きと体力を取り戻すには、“新しい挑戦=リセット”を恐れず、実行していかねばならない。※本記事は、伊藤弘明氏の書籍『The Great Reset of JAPAN 日本の再生方法』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。
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第五章 健康改革
(1)国民の健康改革
今まで日本では“健康改革”という言葉は聞かれなかった。誰も健康改革という政策を唱えてこなかった。しかし、人間の健康に対する考え方は大きく変えていく必要があるのではないか。国民の健康については、医療保険に影響が及ぶ。この予算が膨大なのである。
今後ますます高齢化社会が進んでいく中で、国民の健康に対する政策は国を維持しさらに飛躍させていくことに欠かすことのできないものなのである。
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まず必要なことは今までもそうであったように国民が自らの健康に対して常に注意を払うこと、そして家族の健康に注意を払うことが重要である。それら基本的な国民の行動があってこそさらなる政策が生きてくることになる。
さらに、1年に一度、健診を国民の義務とすること。国民皆保険を実現している日本としてはそんなに難しいことではないだろう。国民の健康状態を国が把握するのはそんなに違和感のあることではない。
ただ個人情報であるから漏れのないようにせねばならない。それらを前提として論じていくことにする。今、人間に対する科学と医学の進歩がめざましい。その中でも遺伝子に対する研究が今後の生きるものの生命に大きな影響を与えていくであろう。
具体的に説明をする。現在、日本ではDNA検査と称して遺伝子診断がなされている。民間の企業も行っているし、医療機関や研究機関でも行われている。国民が望めばDNA検査は簡単に受けられる時代になった。そのことによって医療は個別化医療の時代に入っていくといわれている。
遺伝子診断とは、それぞれの人が持って生まれた性質、つまりゲノムといわれる遺伝子の情報を細部にわたり調べることで、何かの病気にかかりやすい要因を見つけたり、薬のアレルギー反応を予見したりすることができる。それぞれの人に適した診断と手当てをすることによって、病気を未然に防ぎ、発病者にはその人に合った治療、投薬ができるようになる。
ただし一卵性双生児のように全く同じゲノムを持っている場合は、その後の生活環境や習慣の違いによって人の一生は変化するようになる。従って一般的な見解として遺伝子診断の結果を捉えていくことになる。