昨今、様々なスポーツ施設が社会貢献や地域貢献を考え、家族向けのスポットの設置などで、新たなニーズにアプローチするための多様な取り組みを行っているのをご存知だろうか。その結果、コアなファンが集まるだけではなく、ファミリーなど幅広い層が遊びに行きやすくなり、以前に比べてイメージやその存在が変わりつつある。今回紹介する「ボートレース戸田」も、そうしたスポーツ施設のひとつだ。ファミリー層を意識したボートレース場の取組とは? 一体どんなことを行っているのか、戸田ボートレース企業団事業部の大井川美佳氏と宇田川智史氏に伺った。
5つのゾーンで思いっきりからだあそび!ファミリーで大満足のあそび場

1954年に設立されたボートレース戸田。ボートレースを楽しむファンが多数訪れる場所だが、実はその2階に親子で遊べる施設があることをご存じだろうか。
あそびの専門企業「ボーネルンド」と協働で誕生した「BOAT KIDS PARK モーヴィ戸田」は、「あそぶことは 生きること」という考え方をベースに、子どもたちの”やってみたい”という自発的な衝動を大切にしている、イキイキと楽しく活動できる遊び場だ。
コンセプトは、①からだあそびを中心に、こころと頭と身体にとってバランスのよい発達を促進すること、②親も一緒に遊ぶことができること、そして③プレイリーダーと呼ばれる研修を受けたスタッフが常駐していることだそうだ。 プレイリーダーは指導者ではなく、子どもの意欲を引き出し応援する子育てサポーターという位置付けなのもユニーク。親も一緒に遊ぶことで「こんなことができるようになったの!?」と、子どもの成長に気づくこともできるだろうし、見守られながら安心して遊ばせることができるのが特長だ。
施設内は、はいはい、ヨチヨチ歩きの子どもが楽しめる「ベビーゾーン」、くるくるまわる遊戯などでダイナミックに遊べる「チャレンジゾーン」、ボールプールやサイバーホイールなどで全身を使って遊ぶ「アクティブゾーン」、外で砂遊びや水遊びができる「アウトドアゾーン」、たくさんの絵本を自由読める「ライブラリーゾーン」の5つのゾーンからなる。それぞれのゾーンに特徴的で楽しい遊具が揃っており、年齢や個性に合わせた遊びが可能(対象年齢:6ヶ月~12歳)。家族で気軽に遊びに行けるスポットだ。
ボートレース場を、親子で遊びに来られる「身近な存在」にしたい

広告の後にも続きます
ボートレース戸田の施設内に2019年に誕生した「BOAT KIDS PARKモーヴィ戸田」。ボートレース場と子ども向けの遊び場というのは意外な組み合わせのように思うが、どういった経緯で作られることになったのだろうか。
「以前から、ボートレースをやっていくだけでなく、何か社会貢献、地域貢献という形で実際にここに来たことがない方たちにも足を運んでいただきたい、と考えていました。それで以前も、テレビや本が置いてあるキッズ向けのスペースがあったのですが、あまりファミリー層に浸透しなかったんです。それをなんとか変えていきたいというタイミングで、BOAT RACE振興会の呼びかけにより、株式会社ボーネルンドさんとのコラボで『モーヴィ戸田』が誕生しました。ボートレース場は全国に24場あり、そのうち7場に『モーヴィ』がありますが、戸田が第1号となります」(大井川美佳氏、以下大井川)
「モーヴィ戸田」ができてから、ボートレース場での遊びに別の選択肢が生まれ、明らかにファミリー層の来客が増えたそうだ。
「『モーヴィ戸田』を目当てに来たというご家族も多いです。何度も足を運んでいただくことで、ボートレース場へ行くというハードルも下がったと思います。そして戸田市は東京にも近いということもあって年々人口が増えていて、埼玉県内で一番平均年齢が若い地域なので、今後もファミリー層やカップルなどは大事にしていきたいですね」(大井川)
「地域に暮らしている方々にとって、気軽に利用していただけるような場所になってほしいと思います」(宇田川智史氏、以下宇田川)
ボートレース場と聞くと、「ギャンブル」に対する固定観念が先行し、あまりいいイメージを持っていない人もいまだに多い。しかし実際に足を運んでみると、場内は綺麗で広々としており、すごく開けた明るい印象を受ける。「モーヴィ戸田」をきっかけに遊びに行ってみれば、きっとイメージがガラリと変わることだろう。

親子でダイバーシティを学べる参加型イベントも開催
