
恋人や配偶者の有無は、雰囲気や仕草に現れるというが、どうやら匂いにもそのサインが隠されているようだ。
オーストラリアの研究チームによる実験では、女性82人に、男性6人の体臭を嗅いでもらい、感想を述べてもらった。すると独身男性は、配偶者や恋人がいる男性に比べて、体臭が強いことが明らかとなったそうだ。
この研究は『Frontiers in Psychology』(2019年2月13日付)に掲載された。
独身男性の体臭はなぜ強い?
なぜ独り身の男性は、パートナーがいる男性とは異なり、体臭が強くなるのだろうか? そのはっきりした原因はよくわかっていない。だが研究チームのメフメト・マハムト氏は、「体臭が強いと目立ちやすいのかもしれません。それが優位性のサインなのかも」と語っている。
例えば、男性ホルモン「テストステロン」は、配偶者を求める行動と関連していることが知られている。そして過去の研究からは、テストステロンが多いと体臭が強くなることが明らかにされているのだという。
今回の研究では、参加者のテストステロン値を検査したりはしていない。
だが過去の研究では、独り身の男性は、安定した交際相手がいる男性よりもテストステロン値が高い傾向にあることがわかっている。
「独り身の男性は、潜在的にテストステロンレベルが高いのです」と、マハムト氏は言う。
ただし恋人や配偶者を得てどのくらいで、テストステロンが減り始めるのかは不明だ。そのような変化を長期的に調べた研究は、今のところないのだそうだ。

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テストステロン以外に考えられる理由
今回の研究は、あくまで相関関係を示したもので、因果関係を明らかにしたわけではない。そしてテストステロン以外にも、独身と既婚の男性でニオイが違う理由を説明できそうな要因はある。
例えば、年齢のせいで今回のような結果が出やすいとも考えられる。
つまり高齢の男性ほど配偶者がいる可能性が高いが、当然テストステロンは年を取るにつれて減っていくものだろう。
あるいは、ただの社会的な理由かもしれない。
一緒に暮らしている相手がいるなら、「ちょっとお風呂くらい入って」と言われるかもしれない。おかげで体臭が弱まるわけである。

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ニオイも魅力の1つ
ちなみに女性にとって男性がより魅力的に思えるのは、女性が月経の卵胞期にあり、テストステロン値が最高潮にあるときであることを示唆する科学的証拠がある。ただしその差はそれほど目立ったものではないようだ。
「女性はおそらく鼻が良くて、男性よりニオイが気になるのでしょう」と話すマフムト氏によると、より重要なのは「パートナーとしてOKな人のニオイ」なのだそうだ。
References:Frontiers | Do Single Men Smell and Look Different to Partnered Men? / written by hiroching / edited by / parumo